元社内SEが教える!実務で本当に使うExcel関数「レベル別」概要マップ

目次
はじめに:なぜExcel関数を「レベル」で分けるのか?
社内SE時代、私は数え切れないほどの「壊れたExcel」を修理してきました。その経験から言えるのは、生産性が高い人は「難しい関数を知っている」のではなく、「レベルに合わせて正しく関数を繋いでいる」ということです。
今回は、初心者から効率化のプロへ進むためのロードマップを、関数の「材料(引数)」の考え方とともに整理しました。
関数の本格的な説明は次回から行いますので、まずは関数に共通するルールの公式を説明していきます。
少し内容が複雑なので、とりあえずは関数のルールってこんな感じなんだと思ってみてください。
全レベル共通:関数の「公式」は全部同じ!
関数を丸暗記する前に、この形を意識していきましょう。覚えれる方は覚えてみましょう。
= 関数名 ( 引数1 , 引数2 ,引数3 … )
(例)= SUM ( A1, A2 , 10 )
→ SUMはかっこの中を合計しますという意味の関数で、かっこの中を見ると、A1とA2と10と入力されていて、それぞれ「,」(カンマ)で区切られています。
上の公式と照らし合わせると、下記の通りです。= SUM ( A1, A2 , 10 ) →
=関数名(SUM)( 引数1(A1),引数2(A2),引数3(10) )
なので意味としては引数1(A1のセル)と引数2(A2のセル)と引数3(数値の10)を合計(SUM)しますという内容です。関数名のところに「使いたい関数」、カッコの中の「引数(ひきすう)」は「計算の材料」と考えると一気に分かりやすくなります。
引数は関数によって内容が変わりますが、文字や数値が入っているセル、変わらない文字や消費税のような変わらない数字が入ります。
引数の見分け方は「,」(カンマ)が区切られていて、「,」(カンマ)までが一つの引数です。
関数によって必要な材料数(引数)は変わります。
引数の基本
先ほど記載していますが、引数は「計算するための材料」と考えてください。引数のルールは関数の後ろの( )の部分に必ず入ります。引数1、引数2と判断するのは「,」(カンマ)で必ず区切られるので、前から順番に次のカンマまでを引数1、引数2…と考えてください。
- 引数(材料)の指定方法は単体指定、範囲指定、直接入力の3種類があります。:
- 単体指定:
A1のように特定のセルを選ぶ。 - 範囲指定(重要!):
A1:A10のように「:(コロン)」で繋ぐことで、「A1からA10まで全部」というひとかたまりの材料として指定できます。 - 直接入力:引数に直接、数字や文字列を入力する。
- 単体指定:
- 引数と引数の間は必ず
,(カンマ):を入れて、「区切り」にする。 - 引数の材料が文字の場合、
" "(ダブルクォーテーション)で必ずこれで囲むのがルールです。”文字”という形です。
今の段階では、単体指定の時は材料が入っているセルをクリック、範囲指定の時はドラッグ操作で範囲指定をする。その時、からの部分は「:」(コロン)でつなぐ。直接入力の時は直接入力するくらいで覚えておきましょう。関数を何度も使っていくうちに把握できてくると思います。
関数について
今回、関数は詳しくは説明しませんが、こういう関数があるんだくらいで覚えておきましょう。
基本編の関数はよく使う関数で、割と使いやすい関数です。さらに上級編の関数に似た名前の関数が出てくるので、基本編の関数の動きをつかんでいきましょう。
中級編の関数もよく使う関数ですが、使い方に理解が必要な関数です。このあたりができるようになってくると実務ができる人という認定がされるようになります。
上級編の関数や関数の応用になってくるのですが、難しくなってきますが、これができるようになってくるとExcelを自由自在に扱えるようになってきます。
【基本編】データの「現状」を正しく掴む
バラバラの数字から、正確な統計値を出す基礎体力フェーズです。「材料(引数)」に「セル:セル」の範囲を指定するだけで動くものが中心です。
- 主な関数:
SUM/AVERAGE/COUNT・A・BLANK/MAX/MIN - できること:
- 合計、平均、最大・最小を一瞬で算出する。
- 数値のみ(
COUNT)、空白以外(COUNTA)、空白のみ(COUNTBLANK)など、目的に応じて件数を正確に数える。
- 元SEのアドバイス:
Microsoft サポート:SUM関数にある通り、範囲指定こそが効率化の命です。平均を出す際、「0」は分母に含まれ、「空欄」は除外される点に注意しましょう。
【中級編】「判断」と「検索」で作業を自動化する
Excelに判断を任せ、手入力とコピペを撲滅するフェーズです。複数の材料を正しい順番で入れるスキルが求められます。
- 主な関数:
IF/VLOOKUP - できること:
- 条件分岐(IF):「もし予算を超えたら警告」など、条件によって表示を自動で切り替える。
- データ検索(VLOOKUP):マスタから情報を自動引用し、転記ミスをゼロにする。
- 元SEのアドバイス:
リクナビNEXTのスキルガイドでも、VLOOKUPは事務職の必須スキル。これができるだけで「実務ができる人」という信頼を得られます。
【上級編】「組み合わせ」で高度なロジックを組む
関数同士を計算させたり、材料の中に関数を入れたり(ネスト)して、1つのセルで複雑な処理を完結させるプロのフェーズです。
- 主なテクニック:
SUMIF/COUNTIF/IFERROR/ 「関数同士の計算・ネスト」 - できること:
- 関数同士の計算:
=SUM(A:A)/SUM(B:B)で達成率を出すなど、計算結果を二次利用する。 - 関数の入れ子(ネスト):
=IF(VLOOKUP(...)="","",...)のように、検索と条件分岐を合体させる。 - エラーの制御:
IFERRORでエラー表示を隠し、信頼性の高い資料を作る。
- 関数同士の計算:
- 元SEのアドバイス:
Microsoftの数式の概要を参考に、メンテナンス性を意識しましょう。組み合わせすぎると「作った本人しか直せない」Excelになるため、読みやすさが上級者の証です。
まとめ:ステップアップの第一歩
「関数を単体で使う」から「材料(引数)を正しく揃える」、そして「関数同士を繋ぐ」。このステップを意識するだけで、あなたのExcelは「単なる表」から「動くシステム」へと進化します。
いきなり上級編に飛んでしまうと、訳が分からなくなってくると思いますので、時間をかけて基本からマスターしていきましょう。
まずは基本編の「範囲指定(:)」からマスターして、データの全体像を正しく掴む習慣をつけましょう!
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