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【社内SEの実践術】入力ゆれだらけのExcelデータを整える方法|分析より大切な「データ品質」の話

2026 7/04
ブログ コラム 社内SE体験談
2026年2月8日2026年7月4日

今日もお疲れ様です。

先日、再現性のないバグに振り回された話をブログ記事にまとめました。まだご覧になっていない方は、ぜひこちらもご覧ください。

👉 【実録】再現率0%の怪。私は如何にしてそのバグとの戦いを(一旦)終えたか

今回は、その逆とも言えるお話です。

原因は分かっているのに、放っておくと集計結果が狂ってしまう「入力ゆれ」についてご紹介します。

社内SEをしていると、売上集計を行い、その結果を担当者へメール送信するといった作業を任されることがよくありました。

ですが、その前段階でもっと時間を取られる作業があります。

それが、「データを整える作業」です。

「とりあえず、このデータ見やすくしておいて。」

営業担当者や上司から何気なく渡されるデータ。

見る側にとっては「すでに完成したデータ」ですが、社内SEにとっては、そのままでは分析に使えないことも珍しくありません。

一番怖いのは、見る側が「入力内容が統一されていない」とは思っていないことです。

そのまま集計すると、「この資料、本当に合っているの?」と疑われる原因にもなります。

今回は、私が実際によく行っていた「データを整える作業」についてご紹介します。

目次

表記ゆれは想像以上に多い

一番多かったのは会社名の表記ゆれです。

例えば、

  • 株式会社〇〇
  • (株)〇〇
  • ㈱〇〇
  • 有限会社△△
  • (有)△△

さらに、

  • 半角スペースが入っている
  • 全角スペースが入っている
  • スペースがない

といった違いもよくありました。

人が見れば同じ会社でも、Excelは別のデータとして扱います。

その状態でピボットテーブルを作ると、同じ会社なのに別々の会社として集計されてしまいます。

すると、こんなやり取りが始まります。

SE「集計できました。」
上司「A社の売上、もっとあるはずだけど?」
SE「『株式会社』と『(株)』で別集計になっています。」
上司「……先に直しておいて。」

見る側は入力データの事情を知りません。

そのため、「集計がおかしい」と感じれば、資料を作った人の仕事の評価になってしまいます。

入力ゆれは会社名だけじゃない

実際には、会社名だけを直せば終わりではありません。

私が担当していた現場では、

  • 商品名
  • 商品コード
  • 担当者名
  • 得意先コード

なども、入力方法が統一されていないことがありました。

特に商品コードは厄介です。

例えば、

  • 同じ商品なのに違う商品コードで登録されている
  • 商品コードの先頭の「0」が消えてしまう
  • 手入力で数字を1文字間違える

こうした違いだけで、Excelは別の商品として集計してしまいます。

「売上が減った。」

と思って調べてみると、実際は違う商品コードへ売上が分散していただけ、ということも何度もありました。

データを分析する前に整える理由は、まさにここにあります。

VLOOKUPは「データを整える道具」

私が担当していた会社では、会社マスタだけでも数千件登録されていました。

人の目だけで一件ずつ確認するのは現実的ではありません。

そのため、マスタを基準にVLOOKUP関数を使い、正式名称へ統一していました。

※現在ではXLOOKUP関数など便利な機能もありますが、当時の現場ではVLOOKUPが主力でした。

これによって、

  • (株)
  • 株式会社
  • ㈱

のような違いがあっても、同じ会社として集計できます。

VLOOKUPは検索するための関数というイメージがありますが、現場では「入力ゆれを整えるための関数」として使うことも非常に多かったです。

「#N/A」をそのまま提出しない

VLOOKUPを使うと、マスタに存在しないデータは「#N/A」と表示されます。

ですが、そのまま資料を提出すると、

「数式が壊れているのかな?」

と思われることがあります。

そこで活躍するのがIFERROR関数です。

エラーになった場合だけ、

「マスタ未登録」

と表示するようにしていました。

これだけで、

「新しい取引先が登録されていないんだな」

と誰でも状況を理解できます。

また、IF関数もよく使用していました。

データの並び順が一致しているか、条件に合っているかなどを確認する際には欠かせない関数でした。

LEFT関数やRIGHT関数もよく使用していました。

例えば、商品コードの先頭数文字で商品分類を判定したり、末尾の番号からデータの種類を判別したりする際によく活用していました。

「必要なデータだけを抜き出す」という場面では、とても便利な関数です。

提出する資料は「壊れない状態」で渡す

集計が終わった資料は、そのまま提出しません。

私は完成した表を別シートへ値貼り付けしていました。

こうすると、

  • 数式が消えない
  • ピボットテーブルを触られない
  • フィルター操作で数字が変わらない

といったメリットがあります。

実際、

「数字が消えた!」

「昨日と集計結果が違う!」

という問い合わせは何度もありました。

原因を確認すると、フィルターが変更されていただけだったり、数式が上書きされていたりすることも少なくありません。

そのため、分析用データは別ファイルとして保存し、提出する資料には完成した表だけを残すようにしていました。

見る人全員がExcelに詳しいとは限りません。

だからこそ、「誰が触っても壊れない資料」にすることも、社内SEの大切な仕事でした。

まとめ

社内SEは、単にExcelで集計しているわけではありません。

入力ゆれや入力ミスを整え、誰が見ても違和感なく判断できる資料へ仕上げています。

私がよく使っていたのは、

  • VLOOKUP:正式名称へ統一する
  • IF:条件を判定する
  • IFERROR:エラー内容を分かりやすく表示する
  • LEFT・RIGHT:商品コードなどの分類や判定を行う
  • ピボットテーブル:売上や実績を集計・分析する

といった基本機能ばかりでした。

派手な機能ではありませんが、これらを組み合わせるだけで、

  • 集計時間は短くなり
  • 問い合わせは減り
  • 上司からの修正依頼も減り
  • ミスも大きく減りました。

私は、ピボットテーブルは分析作業には欠かせない機能だと思っています。

ですが、そのピボットテーブルも、元となるデータが整っていなければ正しい分析結果は得られません。

現場では、分析する技術よりも、分析できるデータを作る技術の方が重要になる場面も少なくありません。

データを整える作業は地味です。

きれいな資料ができると、「最初からこういうデータだった」と思われることもあります。

ですが、その”当たり前”を支えているのが、社内SEの仕事です。

私は、社内SEは**「データの翻訳者」**でもあると思っています。

数字を集計するだけではなく、誰も迷わず判断できる形へ整えること。

それもまた、現場を支える大切な仕事の一つなのです。

次回は、いろいろとブログ記事にしている私ですが、結構苦手なものもあったりします。そんな記事をまとめてみました。

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