【社内SEコラム】ネットワークトラブル発生!焦る現場を救う「論理的な切り分け術」

社内SEをやっていて、最も神経を使う対応の一つが「ネットワークトラブル」です。
「ネットがつながらない!」と連絡が来るとき、ユーザーさんは大抵パニック状態。でも、ここで一緒に慌ててはいけません。
今回は、私が実践している「ネットワークトラブルを最速で解決するための切り分け思考」をまとめました。

技術よりも大切な「心の切り分け」

ネットワークトラブルの際、技術的な知識以上に求められるもの。それは「相手のパニックに巻き込まれない強さ」です。

ユーザーは「業務が止まる恐怖」の中にいる

連絡をくれる方は、分刻みのスケジュールで業務をこなしている真っ最中かもしれません。そんな時に突然ネットが切れるのは、パニックになって当然です。
そこで私たちが一緒に焦ってしまうと、相手の不安を増幅させ、正確な情報収集ができなくなります。

「大丈夫ですよ」という空気を作るため、私が連絡を受けたときは意識しているのは、以下の3点です。

  • まずは共感する:「急に繋がらなくなると困りますよね」と一言添える。
  • 質問をシンプルにする:パニック時は複雑な指示は通りません。「隣の席の方はどうですか?」と、YES/NOで答えられる質問から始めます。
  • 「直る」という安心感を与える:淡々と切り分ける姿勢を見せることで、「この人に任せれば大丈夫だ」と相手を落ち着かせることができます。

 まずは「影響範囲」を特定する

ネットワークはONU、ルーター、HUB、LANケーブル、そして各PCと、蜘蛛の巣のように繋がっています。闇雲に機材を触る前に、まずは以下の2点を質問して「どこまでが死んでいるか」を特定します。

質問①:インターネットだけ?システムもダメ?

  • システムは使えるが、ネットだけ遅い: 外回りの回線混雑(社会全体の遅延)の可能性大。
  • システムもネットも全滅: 社内設備(ルーターやHUB)の故障の可能性大。
  • ネットはOKだが、システムだけダメ: システムサーバー自体の不調。

質問②:つながらないのはあなただけ?隣の人も?

  • 自分だけ: PC本体の故障か、その席のLANケーブルの断線。
  • 隣の人も(島全体): そのエリアを束ねているHUBの故障。
  • 拠点全体: ルーターやONU、あるいは引き込み回線の異常。

この二つの質問をしたら、大体の問題が発生している場所を特定することができます。

コマンドプロンプトを「相棒」にする

ある程度の原因の目星がついたら、「PINGコマンド」に協力してもらいましょう。
ネットワークトラブルの際、コマンドプロンプトは私たちの「目」の代わりになって状況を教えてくれる、とても心強い存在です。

「見守り状態」を作ってあげる

私がよくやるのは、つながらないパソコンからルーターなどの機器に対して、ずっと信号を送り続ける状態にすることです。
Windowsなら、コマンドの最後に「-t」を付けるだけ。これで、こちらが止めるまで「つながるようになったかな?」と確認し続けてくれます。画面をずっと見守る必要はなく、横に置いておくだけで大丈夫です。

「つながった!」がひと目でわかる

画面に「応答がありません」という文字が流れている間に、少しずつ物理的な確認を進めていきます。
  • 「HUBの差し込み口を隣に変えてみよう」
  • 「念のためLANケーブルを新しいものに替えてみよう」
  • 「HUBを一度リフレッシュ(再起動)させてみよう」

こうして一つずつ試しているうちに、画面の文字がパッと「応答あり」の数値に変わります。画面が切り替われば、問題解決に進めます。

ひとつずつ、優しく原因を探っていく

「なんとなく直った」だと後で不安が残りますが、PINGで見守りながら作業をすることで、「あ、このケーブルが原因だったんだね」と原因がわかることができます。
一つひとつ可能性を優しく潰していく。この積み重ねが、結局は一番の近道になります。

【番外編】どうしようもない「予想外」の出来事

どれだけ論理的に切り分けても、特定できないケースが過去に一度だけありました。
原因を突き詰めた結果、なんと「外の工事の人が、間違って建物への光ケーブルを切断していた」という物理的な事件でした……。
こればかりはSEの努力ではどうにもならず、翌日の復旧を待つしかありませんでしたが、こうした「まさか」があるのもネットワーク対応の奥深さ(?)ですね。

まとめ:トラブルの数だけ、信頼は積み上がる

ネットワークトラブルは、さながら正解のないパズルのようです。
一見すると複雑怪奇に絡まり合ったスパゲッティのような配線も、一つひとつの要素を「論理」というハサミで切り分けていけば、必ず原因に辿り着きます。
今回のようなトラブル時に「誰よりも冷静に、誰よりも早く」原因を特定し、復旧させる姿をユーザーは必ず見ています。
「あの人に言えば、パニックにならずに何とかしてくれる」
そんな安心感を提供し続けることこそがトラブル解決に必要なのかもしれません。

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