今日もお疲れ様です。
前回は、中小企業の社内SEが実際にどのような仕事をしているのかについてお話ししました。
パソコンの設定やトラブル対応だけでなく、業務改善やベンダーとの調整など、想像以上に幅広い業務を担当していることがお分かりいただけたと思います。
👉 中小企業の社内SEは「何でも屋」だった。元社内SEが学んだ仕事の本質

では、そのような社内SEとして働くためには、どのようなスキルが必要なのでしょうか。
「プログラミングができれば大丈夫?」
「ITの資格を持っていれば有利?」
そう思われる方も多いかもしれません。
資格やスキルがあれば助かると思いますが、最初からすべてを身につけている必要はありません。
実際の現場で経験を積みながら成長していくことも十分可能です。
私自身もOffice系やクリエイティブ系の資格は取得していました。
資格の勉強を通じて基礎知識を身につけられたことは良かったと思いますが、実際の現場では資格の問題集に載っていないトラブルや課題に直面することの方が圧倒的に多くありました。

資格は知識を身につけるきっかけとして有効ですが、「資格を持っている=仕事ができる」ではないと感じています。
もちろん技術も大切ですが、実際に働いてみて痛感したのは、「ITの知識」と同じくらい「人間力」や「整理能力」が重要だということでした。
具体的には、社内SEには以下の5つのスキルがバランスよく求められます。
- 現場の把握力とITの翻訳力(コミュニケーション)
- ITの広く浅い(+αの深さ)知識(対応力)
- 業務フローの構築力と管理能力(論理的思考)
- 自走できる検索・調査スキル(問題解決力)
- データの利活用スキル(提案力)
今回は、私が実際に現場で「これがなかったら仕事にならなかった」と感じたスキルをご紹介します。
「現場の把握力」と「ITの翻訳力」(コミュニケーションスキル)
社内SEにとって、技術以上に重要と言っても過言ではないのがこのスキルです。
「現場」と「業者」の深い溝を埋める
現場の社員はITの専門用語がわかりません。
一方で、ベンダーは現場の細かな業務や苦労を知りません。
社内SEは、その間に立って双方をつなぐ役割を担います。
私が経験した中で特に大変だったのは販売管理システムの導入でした。
システムそのものよりも、現場全体の流れを整理し、それをベンダーへ正しく伝えることに苦労しました。
導入後には、「改善じゃなく改悪だ」という厳しい意見をいただいたこともあります。
当時はかなりショックでした。
しかし振り返ってみると、現場が思い描いていた理想と、ベンダーが理解していた要件にズレがあったことが原因でした。
どうしてもシステム導入では、「現場が本当に困っていること」と「ベンダーが実現できること」の間にギャップが生まれることがあります。
だからこそ社内SEには、現場を理解し、それを正しく翻訳する力が求められるのです。
「誰が・何を」しているかを把握する
正しい翻訳をするためには、現場の流れを理解する必要があります。
誰がどの作業を担当し、どのような順番で仕事が進んでいるのか。
これを把握しているからこそ、適切な提案や説明ができるようになります。
ITの広く浅い(+αの深さ)知識
中小企業の社内SEでは、特定分野だけに強いスペシャリストよりも、幅広く対応できる人材が求められることが多いと感じます。
もちろん、すべてを完璧に知る必要はありません。
まずは広く学び、必要に応じて深掘りしていくことが大切です。
| 必要スキル | 必要シーン |
|---|---|
| プログラミング | 業務を補助するツール作成や簡単な自動化で役立ちます。 |
| ネットワーク | Wi-FiやVPNなど、社内インフラのトラブル対応に必要です。 |
| ハードウェア | PCの故障診断や周辺機器の設定などで活躍します。 |
| セキュリティ | ウイルス対策や情報漏洩対策も重要な仕事です。 |
| クリエイティブ | ホームページ更新や画像加工などを依頼されることもあります。 |
私が経験した中小企業の社内SEでは、プログラムを書く時間よりもExcelを触っている時間の方が長かったと思います。
打ち合わせでは課題管理表や進捗管理表を作成し、システム導入時にはマスター登録用データの整備や加工を行います。
また、売上集計やデータ分析、会議資料の作成など、業務のさまざまな場面でExcelを活用していました。
そのため、未経験から社内SEを目指すのであれば、私はプログラミングよりも先にExcelを使いこなせるようになることをおすすめします。

業務フローの構築力と管理能力
どんなに高機能なシステムでも、現場の流れに合っていなければ使われません。
私自身も「システムを変える」より「業務の流れを整理する」ことの方が多くありました。
また、システムの問題だと思っていたことが、実は運用ルールの問題だったケースもあります。
例えば、プリンターの紙詰まりエラーが頻発していましたが、原因は機械の故障ではなく、用紙ガイドの調整不足でした。
システムだけを見るのではなく、現場全体を見ることが重要です。
自走できる検索・調査スキル
社内SEは一人で対応しなければならない場面も少なくありません。
「ググる力」は重要
私が苦労したのは、英語のエラーメッセージしか表示されないトラブルでした。
当時はChatGPTもなく、Google検索と翻訳サイトを使いながら原因を探していました。
海外フォーラムを読むことも珍しくありませんでした。
知らないことが出てきても、自力で調べて解決していく力が必要です。
データの利活用スキル
システムは導入して終わりではありません。
蓄積されたデータを活用してこそ価値があります。
私自身、SQLは基本的な構文しか扱えませんでした。
それでも売上集計表を作成したり、経営会議向けの資料を作成したり、商品の発注点管理を見直したりすることはできました。
大切なのは高度な技術よりも、「数字から課題を見つける力」だと思います。
まとめ
社内SEはプログラマーとは少し違います。
ITの知識を使いながら、現場とシステムをつなぎ、会社全体を支える仕事です。
私が経験した中小企業の社内SEでは、技術だけで解決できる問題よりも、人や業務の理解が必要な問題の方が多くありました。
だからこそ、技術だけではなくコミュニケーション力や業務理解も大切になります。
これから社内SEを目指す方へ
私が新人時代に一番苦労したのは、ITの知識ではなく現場の流れを覚えることでした。
誰が何をしていて、どのような手順で仕事が進んでいるのか。
それを理解できるようになって初めて改善提案ができるようになります。
もし今から勉強を始めるなら、私はExcelをおすすめします。
資格取得も良いと思います。
ただし、資格だけで仕事ができるようになるわけではありません。
資格で学んだ知識を土台にしながら、現場で経験を積み、実際の業務を理解していくことが大切です。
まずは「現場の困りごとに寄り添う気持ち」から始めてみてください。
その一歩が、社内SEへの第一歩になると思います。
次回はあると便利な仕事道具をブログ記事にまとめたいと思います。
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