【実録】引き出しに消えた伝票と「犯人は私です!」――新人社内SEがDBソフト「桐」で信頼を奪還した話

社内SEとして入社後、多くの人が経験する「現場研修」。そこで大きなミスをして青ざめた経験はありませんか?
私もこれまで、小さなうっかりミスから顔が真っ青になるような大失態まで、数えきれないほどの失敗を繰り返してきました。正直なところ、成功体験よりも失敗談の方が圧倒的に多いかもしれません。
しかし、今の自分を支えているのは、間違いなくその「失敗からどう生き抜いてきたか」という経験です。失敗は生きている以上つきものですが、大事なのはそこから何を学び、どう生かしていくかだと私は思います。
本記事では、私が新人時代にやらかした「送り状発行ミス」と、そこからどう信頼を取り戻し、システム開発(桐)で解決したかという実体験を綴ります。「ミスを隠してしまった」「現場研修が辛い」と悩む新人の皆さんのヒントになれば幸いです。
目次
社内SEの生命線は「現場の土」にまみれること
社内SEにとって、現場を知ることは単なる研修ではありません。特に中小企業の社内SEなら、現場の動きを把握せずして、血の通ったシステム改修など不可能です。
私が痛感したのは、「ユーザーの細かい動きは、実際に作業をしてみないと分からない」ということです。マニュアルにはない伝票をめくる手つき、一瞬の視線の動線……。この些細に見える「細かい動き」が、現場の状況やミスの発生を大きく左右します。
そんなこともあり、研修期間としては長かったですが、私は1年半、発送業務の現場に身を投じていました。夏は蒸し風呂、冬は極寒の倉庫。ユーザーがどのような身体的疲労とプレッシャーの中で荷物を捌いているのか。それを知らずにデスクに座ることはできない――。そう確信した修行時代でした。
発送現場の狂気:消えた伝票のミステリー
発送現場は一分一秒を争う戦場です。運送業者の振り分け、個口数予測、そして「送り状(伝票)発行」。
容赦なく迫ってくる運送業者の締め切り時間。私が伝票を出さない限り、ピッキング作業員の手は止まり、トラックの出発時間は刻一刻と迫ります。「早く、正確に!」という重圧の中、必死に作業をこなしていたある日、事件は起きました。
翌日、一本の入電が現場を凍らせます。
「昨日届くはずの荷物が、まだ来ないんだけど(怒)」
システム上は「出荷済み」。しかし現物の荷物も伝票の控えもどこにもない。部署間で「営業の指示ミスだ」「現場の積み忘れだ」と責任のなすりつけ合いが始まり、私は生きた心地がしませんでした。
絶望の瞬間:引き出しの奥に眠っていた「お金」
犯人は、私でした。
机の引き出しを奥まで引き抜いたとき、そこには折れも汚れもない、綺麗なままの伝票が数枚、静かに横たわっていました。忙しさに混乱し、何かの拍子に吸い込まれてしまったようでした。
「今、これを隠せば……」という卑怯な考えがコンマ1秒よぎりましたが、私はその伝票を握りしめ、営業部長のもとへ走りました。
「犯人は私です! 出し忘れて引き出しに入れていました!!」
「伝票はお金と同じなんだぞ!」という叱責と、翌朝の朝礼での公開謝罪。
逃げ出したくなるほどの屈辱でしたが、「ミスをした時は即謝罪する」。これを徹底したことで、周囲は驚くほどの速さでリカバーへと動いてくれました。
謝罪をコードに変える:DBソフト「桐」による防衛線
心からの「申し訳ない」という気持ち、そして泥を被ってフォロー対応をしていただいた方々への深い感謝。それを胸に、「ごめんなさい」だけで終わらせないのがエンジニアの落とし前です。
二度と同じ悲劇を繰り返さない「仕組み」を作るため、私は当時社内で現役だった日本語データベースソフト「桐」を使い、即席の「伝票チェックプログラム」を組み上げました。送り状発行システムは前任者から引き継いだ「桐」で動いていたため、これを利用するのが最速でした。
開発したのは、営業事務から受け取った伝票のバーコードと、実際に出荷した伝票のバーコードを照合するという、極めてシンプルかつ確実なシステムです。
なぜ「桐」だったのか
- 圧倒的な処理スピード: 大量の受注データも「一括処理」で瞬時に捌ける。
- ミリ単位の帳票設計: Excelでは難しいドットプリンタ用の複写伝票の設定も、桐なら柔軟に調整可能。
- 現場への適応力: 既存システムを活かし、現場のフローを止めずに機能を拡張できました。
実装した「検門所」
枚数が1枚でも合わなければ、画面を真っ赤に反転させ、直感的に異常を知らせる。この「ミスをしたくてもできない仕組み」を導入してから、私が現場にいる間、伝票の出し忘れはゼロになりました。
【まとめ】社会人・エンジニアとしての生きる道
失敗は、生きている以上つきものです。
大事なのは、そこから何を学び、どう生かしていくか。ミスをしてしまった瞬間は、世界が終わったような絶望を感じるかもしれません。しかし、周囲への感謝を忘れず、誠実に謝罪し、それを技術的な解決へと昇華させる。そのプロセスこそが、エンジニアを成長させます。
新人の皆さんに伝えたいのは、ミスを恐れることではなく、「ミスをした後の誠実さ」と「技術的な解決」を忘れないことです。
- 隠蔽せず、光速で謝罪すること。(これは絶対に徹底してください!)
- 精神論ではなく、仕組み(プログラム)で解決すること。
失敗の泥を被り、そこからシステムを組み上げた経験こそが、あなたを「信頼されるエンジニア」へと変えてくれます。
すぐ謝って、二度と起きないプログラムを書く。
それこそが、現場に愛される社内SEの生きる道ですから!
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