前回は、AIを使いこなすにあたって、AIの回答をそのまま受け取るのではなく、「疑問を持つこと」や「深掘りすること」が大切ではないかという私なりの考えをブログ記事にまとめました。
AIを便利な道具として使うだけでなく、自分自身でも考えながら活用することの大切さについてお話ししています。
まだご覧になっていない方は、ぜひこちらからご覧ください。
👉 AIを使いこなすには?|大切なのは「疑問を持つこと」と「深掘りすること」

最近、私自身もAIを使う機会が本当に増えました。
文章を作る、資料をまとめる、分からないことを調べる、プログラムコードを書く。少し前なら時間をかけていたことでも、AIを使えば短時間で形にできるようになっています。
私自身もAIをよく使っていますし、非常に便利なものだと感じています。
一方で、使えば使うほど気になることも出てきました。
AIに頼りきりになったとき、私たちはどこで経験を積んでいくのだろうか。
これからAIを使って何かをする人が増えていくのであれば、人間のスキルが必要なくなるのではなく、むしろAIを扱う人間側にも、それに見合ったスキルや経験が必要になってくるのではないか。
今回は、AI時代の「スキルと経験」について考えてみたいと思います。
AIによって経験する機会まで減っていないか
AIを使えば、これまで人間が行っていた多くの作業を効率化できます。
仕事では時間も限られていますから、便利なものは積極的に使えばよいと私は思っています。
ただ、本来その作業をする中で得ていた経験まで、一緒になくなってしまわないかという心配があります。
これまでは、
- 自分で考える。
- 調べる。
- やってみる。
- 失敗する。
- 原因を考える。
- もう一度試してみる。
こうした試行錯誤を繰り返しながら、少しずつ仕事を覚えてきました。
文章を書く力、情報を調べる力、人に説明する力、問題の原因を探る力なども、実際に自分でやってみることで身につけてきたものだと思います。
私自身、AIがなかった頃を振り返ると、特に調査にはかなり時間を使ってきました。文章作成も、若い頃は面倒だと思うことがありました。
しかし、今振り返ってみると、そうした経験が現在の自分の判断材料になっている部分もあります。
AIに任せることが増えれば、経験を積む機会だけではなく、すでに身につけたスキルを使う機会も少なくなります。
効率化と一緒に、人が成長するための経験まで減らしてしまってよいのか。
ここは考えておく必要があると思います。
一番怖いのはAIの回答を鵜呑みにすること
私がAIを使っていて一番怖いと思うのは、AIの回答をそのまま鵜呑みにしてしまうことです。
AIは必ず正しい回答をするわけではありません。
私自身、事前に把握していた情報とAIの回答が違い、「これはおかしい」と気づいたことがあります。
また、以前使っていたAIがかなり自信のある調子で回答してくることがありました。
最初は私も正しいと思って読んでいたのですが、やり取りを続けているうちに「何か怪しいな」と感じ、改めて確認してみると、実際には違う内容が含まれていたことがありました。
AIの回答が最初から明らかにおかしければ、こちらも警戒できます。
難しいのは、正しい内容が続いている中に、少しだけ間違いが混ざっている場合です。
正しい回答が続けば、いつの間にか「今回も正しいだろう」と思ってしまいます。
しかも、その小さな間違いが必ずしも小さな問題で終わるとは限りません。
金額、法律、顧客への回答など、間違える場所によっては大きな問題につながる可能性があります。
だから私は、間違えてはいけない情報については特に確認するようにしています。また、自分が考えていた内容とAIの回答が違った場合も、一度立ち止まって確認します。
AIが間違えること以上に、AIが間違っていることに人間が気づけなくなることの方が怖い。
私はそう思っています。
AIを使えることと、正しく扱えることは違う
AIが登場したことで、「作ること」のハードルはかなり下がりました。
文章でもプログラムでも、AIに頼めば短時間でたたき台を作ってもらえます。
私も、文章やプログラムコードのたたき台を作るような作業は、AIに任せてもよいと思っています。
しかし、作ることが簡単になったからといって、それを正しく使うことまで簡単になったとは限りません。
AIが作ったものについて、
- 「これは本当に正しいのか」
- 「自分が伝えたかったことと合っているか」
- 「このまま使って問題ないか」
と考える必要があります。
私もブログを書いていると、AIが作った文章を見て「自分が考えていたことと違う」と感じることがあります。
AIが作るものの完成度が高くなるほど、その中にある小さな間違いを見つけることは難しくなるかもしれません。
だからこそ、AIの操作方法や上手な指示の出し方だけではなく、
- 「これはAIに任せてもよい」
- 「これは自分で確認した方がよい」
- 「これは自分では判断できないので、専門家に確認した方がよい」
と判断する力も必要になります。
AIを使えることと、AIを正しく扱えることは違う。
これからは、AIを正しく扱うためのトレーニングも必要になってくるのではないでしょうか。

あえてAIを使わずに経験してみる
そのトレーニングの一つとして、私は一度、AIがやっていることを自分でもやってみるのがよいと思っています。
例えば文章であれば、AIを使わずに一度自分で書いてみる。
「です・ます調」を整えるだけでも、実際にやってみると意外と難しいものです。
同じ語尾が続いたり、それを避けようとして不自然な文章になったりします。
プログラムであれば、一度コードを写経してみるのも一つの方法です。
実際に自分の手で入力して動かしてみることで、「この処理はこういう流れになっているのか」と経験できます。
調査についても、すぐにAIに聞くのではなく、ときには自分で情報を探し、複数の情報を比較して考えてみる。
AIを使うことで負担を減らせることでも、一度自分でやってみれば、その作業の難しさや、どこを確認する必要があるのかが見えてくると思います。
AIを使わないことが目的ではありません。
一度自分で経験して、その難しさを知ったうえでAIを使う。
その経験があれば、「ここはAIに任せられる」「ここは確認した方がよい」という判断もしやすくなると思います。
もちろん、すべてを自分一人で経験することはできません。
長く仕事をしてきた人が持っている失敗談やトラブル対応などの体験から学ぶことも大切です。
ベテランには長年積み重ねてきた経験があり、若い世代には新しい技術を取り入れやすいという強みがあります。
自分で経験すること、他の人の経験から学ぶこと、そしてAIを活用すること。
この3つを組み合わせていくことが、これからは重要になるのではないでしょうか。
AI時代だからこそ、人間のスキルと経験が必要になる
AIについては、「人間の仕事をAIが取っていく」という話もよく聞きます。
実際、これまで人間が行ってきた作業の一部は、AIに置き換わっていくと思います。
しかし、AIが進化するほど人間のスキルが必要なくなるとは、私は考えていません。
むしろ、これからAIを使って何かをする人が増えれば、AIによって一人の人間が扱える仕事の範囲も広がっていきます。
だからこそ、それを扱う人間側にも、AIが生み出したものに見合った知識やスキル、経験が必要になるのではないでしょうか。
そして、その力はAIを使っているだけで自然に身につくとは限りません。
だから、ときにはあえてAIを使わず、自分で考え、調べ、試してみる。
自分だけでは経験できないことは、他の人の経験から学ぶ。
便利なものは使えばいい。
AIに任せられるところは任せればいい。
ただし、最後の判断までAIに任せきりにはしない。
そのために必要になるのが、知識と経験、そして「本当に正しいのか」と疑う力だと思います。
AIを使いこなすためにも、人間自身が学び、経験することをやめない。
AIが身近になった今だからこそ、私はこのことを大切にしていきたいと思います。
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