今日もお疲れ様です。
前回は、社内SEあるあるとして「電話が鳴る日」と「鳴らない日」の違いについてブログ記事にまとめました。
まだご覧になっていない方は、ぜひこちらもご覧ください。
👉 【元社内SE】電話が鳴らない日は平和?鳴り止まない日は地獄?社内SEあるある

今回は、システム導入やプロジェクトを進めるうえで、私が特に大切にしていた**「事前相談」**についてお話しします。
「この提案なら絶対に通る。」と思って提出した稟議が、承認されずに差し戻された。
そんな経験はありませんか?
私は社内SEとして20年以上仕事をしてきましたが、システム導入やプロジェクトを進める中で、一つだけ徹底していたことがあります。
それが、**「事前相談」**です。
今回は稟議申請を例にお話ししますが、この考え方は稟議だけではありません。
会議や打ち合わせ、プロジェクトの進行、システム運用など、物事を前へ進める仕事すべてに共通する考え方だと思っています。
正論だけでは、組織は動かない
システム担当をしていると、
- 「このシステムなら業務を効率化できる。」
- 「この方法が一番良い。」
そう思う場面は何度もありました。
しかし、技術的に正しいからといって、その提案がそのまま承認されるとは限りません。
会社には、それぞれ守るべき立場があります。
- 経営は会社全体の投資効果を考えます
- 現場は、本当に業務が回るのかを考えます
- 経理は、会社のお金やルールを守る責任があります
つまり、相手は反対したいのではありません。
それぞれの立場で会社を守ろうとしているのです。
だから私は、自分の考えを押し通すのではなく、「相手が安心して判断できる状態をつくること」を常に意識していました。
そのために欠かせなかったのが、事前相談でした。
一人部署でも、独断では進めない
私が社内SEを担当していた頃は、一人部署でした。
システムに関することは、ある程度自由に任せてもらっていました。
しかし、だからといって、「好きに進めていい。」とは一度も思ったことはありません。
自由に任せてもらっているということは、
責任を持って判断すること。
会社のお金を使う以上、会社として意思決定を行う。
そのためのルールは、自分から守るようにしていました。
稟議を書く前に、下準備をする
もちろん、いきなり上司へ相談に行っていたわけではありません。
まずは私自身で、
- 導入目的
- システム構成
- 導入効果
- 概算費用
- ベンダーからの提案内容
などを整理し、自分なりの導入案を作成していました。
自分自身が内容を理解し、説明できない状態では、相手に納得していただくことはできません。
だからこそ、「なぜ導入するのか」「どんな効果があるのか」「他の方法は検討したのか」まで整理したうえで相談へ進むようにしていました。
私にとって事前相談とは、
「何も決まっていない状態で意見を聞くこと」ではなく、「自分なりの案を持ち寄り、一緒により良い形へブラッシュアップする時間」でした。

次に大切なのは、「誰に相談するか」
準備ができたら、次は相談です。
私の場合、稟議を提出する前には、必ず相談する相手がいました。
一人は、システムの内容を理解している直属の上司。
もう一人は、経理責任者の上司。
このお二人と方向性を合わせることができれば、その後の稟議が大きく方向転換することはほとんどありませんでした。
もちろん、すべてが思いどおりに進むわけではありません。
それでも最初に方向性を共有しておくことで、途中で話が大きく変わることは少なくなりました。
相談すると、自分では気付かなかった視点をいただくことも少なくありませんでした。
- 「この時間帯は現場が止められない。」
- 「その予算の組み方なら問題ない。」
- 「この説明を追加した方が伝わりやすい。」
事前相談は承認を得るためだけではありません。
提案そのものを、より良いものへ育てる時間でもありました。
一番反対されやすかったのは、意外にもシステムとは直接関係のない幹部だったように思います。
理由が分からないまま差し戻されることもありました。
だから私は、「資料で説明する前に、人へ説明する。」ことを徹底していました。
稟議を書くまでが、本当の仕事
稟議を書く前にも、多くの調整が必要でした。
- ベンダーとの打ち合わせ
- 見積書の比較
- 価格交渉
- 現場への説明
- 導入効果の整理
一人部署だったため、それらをほぼ一人で進めていました。
ようやく準備が終わってから、稟議を書き始めます。
一番大きな案件では、約1,000万円規模のシステム導入も担当しました。
この規模になると、システム担当だけで判断できる話ではありません。
関係部署と何度も調整を重ね、承認をいただくまで半月ほどかかったこともあります。
だからこそ、最後の稟議で止まることだけは避けたいと思っていました。
私が稟議で意識していたこと
稟議を書くときに一番意識していたのは、
分かりやすさでした。
- 専門用語はできるだけ使わない
- 結論を先に書く
- 導入理由を書く
- 金額を書く
- 読む方が短時間で判断できるようにする
提案する側には、その責任もあると思っていたからです。
事後承認でも、正式な手続きは省略しない
もちろん、システム障害などで、どうしても先に発注しなければならないこともあります。
そのような場合は、事後承認の稟議になることもありました。
しかし、「事後承認だから稟議は出さない。」という考え方は一度もしたことがありません。
発注が先でも、正式な稟議は必ず提出していました。
理由は、「きちんと申請し、承認を受けた」という記録を残すためです。
また、事後承認になる場合でも、直属の上司と経理責任者の上司には必ず事情を説明し、了承を得てから発注していました。
「正式な稟議は後でも、説明は先。」
これは最後まで変わらなかった私のルールです。
システム運用でも、事前相談は欠かさない
事前相談は、稟議だけの話ではありません。
例えば、
- サーバーの再起動
- ネットワーク機器の再起動
- プログラム納品に伴うサーバー停止
こうした作業でも、私は必ず関係部署や関係各所の上長へ事前相談をしていました。
「この日時で作業を予定していますが、大丈夫でしょうか。」
「業務への影響はありませんか。」
すると、
「その日は業務があります。」
「午前中は出荷が集中しています。」
そんな情報を事前に教えていただけることがあります。
システム担当から見れば10分程度の停止でも、現場にとっては仕事が止まる大切な時間です。
だから私は、「システムを止める前に、人へ相談する。」ことも徹底していました。
後輩にも必ず伝えていたこと
後輩にも、何度も伝えていた言葉があります。
「事前相談だけは、ちゃんとしておきや。」
これはシステムの仕事だけではありません。
あるとき、システムとは関係のない設備導入(確か機械の導入だったと記憶しています)の案件で、同じことを伝えました。
しかし、そのまま稟議を提出し、結果は差し戻しでした。
内容が悪かったわけではありません。
必要性もありました。
ただ、事前相談が足りなかっただけです。
結局、関係部署へ説明を行い、改めて稟議を提出することになりました。
その様子を見て、私は改めて思いました。
「事前相談をしないほど、通らない案件はない。」
ルールは守るもの。でも、現実はそれだけではない
私は、会社のルールは基本的に守るべきだと思っています。
しかし現実には、障害対応や納期など、どうしても通常の手順では間に合わないこともあります。
だからといって、堂々とルールを破っていいわけではありません。
事情を説明し、
了承を得て、
後から正式な手続きを行う。
ルールを軽視するのではなく、
ルールを守ろうとしたうえで、やむを得ず例外を選ぶ。
慎重に考え、必要なときには大胆に動く。
そして、その判断に最後まで責任を持つ。
これも社内SEとして大切にしていた考え方です。
【まとめ】事前相談は、物事を前へ進める仕事そのもの
今回は稟議申請を例にお話ししました。
しかし、事前相談は稟議だけの話ではありません。
- プロジェクトを進めるとき。
- システムを導入するとき。
- サーバーを停止するとき。
- ネットワークを再起動するとき。
- 部署をまたいで仕事を進めるとき。
と物事を前へ進める仕事には、必ず関係者がいます。
事前相談の目的は、相手を説得することではありません。
相手の立場を理解し、安心して判断できる状態をつくることです。
その積み重ねが、結果としてプロジェクトを円滑に進め、より良い仕事につながっていくのだと思います。
若いSEの方へ、一つだけ伝えたいことがあります。
「事前相談をしないほど、通らない案件はありません。」
私は社内SEとして、一人部署で多くの案件を担当してきました。
その中で最後まで変わらなかった考えがあります。
「組織で仕事をする以上、一人で仕事を進めてはいけない。」
そして、もう一つ。
「事前相談は、物事を前へ進めるための仕事そのもの。」
これが、20年以上社内SEとして仕事をしてきた私の結論です。
次回は、会社から突然「転勤」の相談をされたとき、私がどのように考え、どんな選択をしてきたのかを実体験を交えながらブログ記事にまとめていきたいと思います。
転勤を経験して感じたことや、新しい環境で仕事をするうえで大切だと思ったことについてもお話ししますので、ぜひご覧ください。
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