今日もお疲れ様です。
前回、机の上の書類が減らないので色々と検討して、ペーパーレスにした話をブログ記事にまとめました。この記事はこちらから確認できますので、よろしければご覧ください。
👉 【実録】打ち合わせ資料をマウスパッドにしていた私が、iPadとブギーボードで「紙とのバトル」に完全勝利するまで
今回、システム導入時の打ち合わせでよくある現象のことをブログ記事にまとめていきたいと思います。

システム導入の打ち合わせでは、同じ日本語を話しているはずなのに、なぜか話が噛み合わないことがあります。
役員、現場、そしてシステム会社。
それぞれ立場や目的が違うため、見えている景色も大きく異なります。
私は社内SEとして、その三者の間に入り、何度も調整役を務めてきました。
技術的な知識はもちろん必要ですが、それ以上に求められるのが「翻訳する力」と「判断する力」でした。
今回は、そんな社内SEならではの打ち合わせについてご紹介します。
三者三様の考え方
システム導入の打ち合わせでは、それぞれが異なる理想を持っています。
もちろん実際にこう呼んでいたわけではありませんが、私の中ではこんなイメージでした(笑)。
役員の「ロマン砲」
- 「AIで全部自動化できない?」
- 「せっかく導入するなら、一番良いものにしよう。」
会社の将来を考える立場だからこそ、夢のある話になります。
もちろん、その考え方は間違いではありません。
ただ、その裏には開発費や運用費という現実があります。
社内SEは、「実現できます」だけではなく、「どこまでなら費用対効果が見込めるのか」を考えながら提案していました。
現場の「魔改造」
一方で現場は少し違います。
「標準機能でいいよ。」
そう言われた次の瞬間、
- 「でも今のExcelと同じ操作にして。」
- 「このボタンだけ場所を変えて。」
- 「この画面も今までと同じ順番にして。」
という要望が少しずつ増えていくことがあります。
現場にとっては毎日使うシステムです。
操作が変わることへの不安は当然あります。
ですが、要望をすべて取り入れてしまうと、将来の保守が難しくなり、更新のたびに大きな費用が発生することもあります。
そこで社内SEは、
- 「本当に必要なのか。」
- 「運用で解決できないか。」
という視点で、一つずつ整理していきます。
システム会社の「標準砲」
システム会社にも事情があります。
品質や保守性を維持するため、多くのシステムは標準機能を前提として設計されています。
そのため、
- 「標準機能では対応していません。」
- 「追加開発になります。」
という回答になることも珍しくありません。
現場から見ると冷たく感じることもありますが、長く安定して使うことを考えると、その判断が正しい場合も多くあります。
社内SEは、その背景を現場へ分かりやすく伝え、納得してもらう役割も担っていました。

現場は一つではない
打ち合わせで難しかったのは、役員やシステム会社との調整だけではありません。
実は、一番難しかったのは現場の意見がまとまらないことでした。
一度、20人ほど参加する打ち合わせを行ったことがあります。
ところが、部署や担当業務によって必要な機能が違うため、それぞれから異なる要望が出てしまい、話はほとんど進みませんでした。
その経験から、次回以降は各部署の代表者だけに参加していただく形へ変更しました。
人数が多ければ良い打ち合わせになるわけではありません。
まず現場の意見を整理し、一つの方向性を決めてからシステム会社へ相談する方が、結果的にスムーズに進むことが多かったです。
また、現場の意見を整理していく中で、追加開発の見積もりが出ると、
「そこまで費用が掛かるなら、標準機能で運用を見直そう。」
という流れになることも珍しくありませんでした。
要望には優先順位があります。
限られた予算の中で、本当に必要なものを見極めることも社内SEの大切な仕事でした。
「IT語」と「現場用語」をつなぐ翻訳
打ち合わせを難しくするもう一つの理由が「言葉」です。
システム会社は専門用語を使います。
一方で現場では、
「画面のくるくるが長い。」
「固まった。」
「動かない。」
という表現になります。
さらに、現場にはその会社独自の言い回しや業務用語もあります。
私自身、担当したことのない業務について相談されることもありました。
そのときは、「たぶんこの作業のことかな」と現場の仕事をイメージしながら話を聞き、内容を整理していました。
逆に、ベンダー側の新しい専門用語が分からないこともあります。
そんなときはその場で確認したり、後で調べたりしながら、お互いが同じ認識になるよう心掛けていました。
例えば、「サーバーに問題があります」と説明されても、現場の方には伝わりにくいことがあります。
そんなとき私は、
「プログラムやデータが入っている大元のコンピューターでトラブルが起きています。」
というように、できるだけイメージしやすい言葉へ置き換えて説明していました。
社内SEだからといって、すべての専門用語を知っているわけではありません。
知らないことは調べ、理解し、それを相手に合わせた言葉へ置き換える。
IT語でシステムの整合性を保ち、現場の言葉で納得感をつくる。
この「翻訳」があるからこそ、打ち合わせは前へ進みます。
守っているのはシステムだけではない
社内SEが守っているのは、システムだけではありません。
会社の予算も大切な仕事の一つです。
現場から見ると、
「ここに項目を一つ追加してほしい。」
「このボタンを少し動かしてほしい。」
と思える内容でも、その裏では設計やテストまで含め、多くの工数が必要になることがあります。
昔、ある会社で社内SEが長年運用していたシステムを、退職後にシステム会社へ作り直そうとしたところ、1億円近い見積もりになったという話を聞いたことがあります。
私自身が関わった案件ではないため事実関係までは分かりませんが、その話は今でも印象に残っています。
長年にわたって業務に合わせて改善を積み重ねてきたシステムは、見た目以上に多くのノウハウや業務知識が詰まっています。その価値を改めて感じさせられるエピソードでした。
だからこそ私は、
「作れるから作る。」
ではなく、
「将来も維持できるか。」
という視点を常に意識していました。
不要なカスタマイズを減らし、本当に必要なものだけを残す。
それが結果的に会社の予算を守ることにつながります。

システムだけが仕事ではない
会社のお金を守るという考え方は、システムだけではありません。
例えばパソコンを更新するときもそうです。
必要以上に高性能なパソコンは不要ですが、性能が足りなければ数年後には買い替えが必要になります。
また、モニターも同じです。
当時は21インチが主流でしたが、業務内容を考えると27インチの方が効率が上がると判断し、導入を提案したことがありました。
導入費用は少し上がります。
ですが、毎日使うことを考えれば、十分に元が取れる投資だと考えました。
「安いものを選ぶ。」
ではなく、
「必要なところには投資する。」
これも社内SEとして大切にしていた考え方です。まとめ
打ち合わせが終わる頃には、何時間も考え続け、話し続けているので、頭が回らなくなるほど疲れていました。
プログラムを書くより、打ち合わせの方が疲れる日も少なくありません。
それでも、システム導入が無事に終わり、現場の方が新しいシステムを使い始めたときは、大きな達成感がありました。
社内SEは、システムを作る人というイメージを持たれがちです。
ですが実際には、人と人をつなぎ、要望を整理し、将来の保守や会社の予算まで考えながら、一番良い選択肢を探し続ける仕事でした。
技術者であると同時に、翻訳者であり、調整役であり、判断する人でもあります。
派手な仕事ではありません。
それでも私は、この「翻訳」と「判断」を繰り返しながら、会社にとって一番良い選択肢を考え続けることこそが、社内SEという仕事の大きな価値だったと思っています。
いかがでしたでしょうか。
ほかにも社内SE時代の経験や業務改善について投稿しておりますので、よろしければこちらもご覧ください。
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