飲み会は「信頼のリボ払い」?――元社内SEの私が、お酒の席より「ふだんの雑談」を大切にする理由

「最近の若い子は付き合いが悪いよね」なんてため息をつく上司世代と、「飲み会って、ちょっと負担かも」と感じている若手世代。社内SEとして現場をバタバタと走り回ってきた私の目には、この景色が少し違って映っています。
実は、昔の私も飲み会は大嫌いでした。
新人時代、慣れない仕事に追われて一刻も早く帰りたいのに、夜の街へ連れ出される。体質に合わない「慣れないお酒」を飲まされ、世代も価値観も違う上司たちの「全く共感できない昔話や説教」に、顔を引きつらせながら笑ってみせる……。
「自分の大切な時間を削ってまで、なぜこんな思いをしないといけないんだろう?」
そんな風に心の中で毒づいていた私だからこそ、今の若い子たちの気持ちが痛いほどよくわかります。
でも、今の私はお酒を囲む賑やかな時間が大好きです。それは、お酒の席が「目的」ではなく、日々の信頼を確かめ合う「ご褒美」だと気づいたからです。今日は、そんな「飲み会の本当のところ」について、私なりの答えをふわっとお話ししてみようと思います。
目次
飲み会が「ちょっと重いな」と感じる理由
飲み会が苦痛なのは、効率が悪いからでもお酒が嫌いだからでもありません。それは、「日ごろの貯金(信頼)」が足りない相手と、大切な時間を使わされるからではないでしょうか。
ふだん、困っているときに助けてくれない人から「飲み会で仲良くなろう!」と誘われる……。これは、いわば人間関係の「リボ払い」です。仕事の時間に信頼をコツコツ貯めるのを後回しにして、お酒の力で一気に返済しようとしている。これでは、誘われたほうに「不信感」という利子がついてしまうのは当然です。
「信用がないのに、クレジットカードは決済できない」
私が大切にしている考え方に、「信頼=クレジットカード」という比喩があります。
飲み会は、新しい信頼を「発行」する場所ではありません。ふだんの仕事や雑談で積み上げてきたクレジットを、分かち合う「決済端末」のような場所です。
信用がないのに、クレジットカードは決済できません。
どれだけ高級な店を予約しても、日頃の積み立てがなければ、相手の心という端末は無情にも「決済エラー」を返します。「仕事だから付き合え」と無理やり通そうとしても、相手の心に「信頼」のサインをもらうことは不可能なのです。
一方で、私が若い子を誘ったときに快く来てくれたことがありました。それは、彼らが私を「慕ってくれていた」から。 日頃の貯金がしっかり「決済」された証拠だったのだと感じています。
価値観が違うのは「当たり前」
「今の若者はドライだ」と言われますが、決してそんなことはありません。変わったのは若者の心ではなく、誘う側の「信頼の残高」のほう。
また、価値観が違うのは当たり前で、仕方のないことです。同じ世代だって、家でゲームをしていたい子もいれば、お酒が大好きな子もいます。大切なのは、その「違い」を無理に埋めようとすることではなく、「相手には相手の大切な世界がある」と認めること。相手が何を大切にしているかを知ろうとする歩み寄りの一つが、たまたま「飲み会」だったり「ふだんの雑談」だったりするだけなのです。
信頼の正体は「どれだけ相手に傾いたか」
信頼を貯金するのに、難しいことはいりません。
誰かが困っているときに、手を止めて、「耳を傾ける」こと。
画面の数字だけを見るのではなく、その向こう側にいる人の心に、「心を傾ける」こと。
そして、「自分の話は小出しにする」程度にとどめること。
自分の自慢話や苦労話を一方的に押し付けるのではなく、まずは相手が安心して話せる「余白」をあけておく。自分のことは、聞かれたときに少しだけ話す。そんな控えめで優しい積み重ねが、本当の「信頼」になります。
それでも、飲み会は「したほうがいい」理由
それでも私が飲み会をおすすめするのは、そこに「チームのご褒美」としてのメリットがあるからです。
- チーム力が上がる:仕事以外の熱い想いを知るきっかけになる。
- ふだん触れ合えない人と話せる:意外な共通点が見つかるかもしれない。
- 幹事は「成長のチャンス」:大変ですが、段取りや配慮が必要な役目は、その人の力量や課題が見えてくる大切なステージになります。
お酒の席を囲むなら、「無理強いをしない(アルハラ注意)」「豹変しない」「お説教ではなく耳を澄ます」というルールを添えて、心地よい時間を守りたいですね。
結びに:誰かを「癒す人」になろう
「あなたは今日、職場の仲間にシラフで声をかけましたか?」
特別なイベントも、お酒の勢いもいりません。大切なのは、職場のデスクや通路で「最近どう?」と笑い合える関係を、今、この瞬間から作れているかどうか。
そして何より、自分自身が、誰かを「癒せる人」であること。
一方的に語るのではなく、静かに寄り添い、自分のことは小出しにする。そんな温かな存在の周りには、自然と信頼が貯まり、人が集まってきます。
最高のコミュニケーションは、豪華な宴会ではなく、オフィスの通路での「耳を傾け、心を傾けた、何気ない雑談」から、ふんわりと始まっていくものだと、私は信じています。
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