今日もお疲れ様です。
前回は、「帰る自由」と「支える責任」は両立できるのかについて、私自身の考えをブログ記事にまとめました。
まだご覧になっていない方は、こちらからご覧いただけます。
👉 【元社内SE】「帰る自由」と「支える責任」は両立できると思う

今回、引き継ぎは、異動や退職だけでなく、担当変更や新しいメンバーへの業務移管など、さまざまな場面で必要になります。
- 「自分がいなくなっても本当に大丈夫だろうか。」
- 「後任が困らずに仕事を進められるだろうか。」
そんな不安を感じたことがある方も多いのではないでしょうか。
私も社内SE時代に、2回ほど引き継ぎを経験しました。引き継ぎ相手は中途入社の方で、期間は長くても約1か月です。
今回は、その中でも特に印象に残っている引き継ぎを通して、私が大切にしていた考え方をご紹介します。
別部署の請求書発行業務を担当した時のこと
ある時、本来は別部署が担当していた請求書発行業務が止まる可能性があり、一時的に私が担当することになりました。
もちろん、社内SEとしての本来の仕事がなくなったわけではありません。
通常業務を続けながら請求書発行も担当することになったため、限られた時間の中で両方の仕事をこなさなければなりませんでした。
限られた時間で両方の業務をこなすためには、効率化せざるを得ませんでした。
私はプログラムやExcelを活用し、できるだけ短時間で処理できるよう運用を改善していきました。
自分が担当する分には、その方が早く、調整もしやすかったからです。
しかし、引き継ぎが決まった時、一つの問題に気付きました。
本来はプログラムの知識がなくても対応できる業務だったにもかかわらず、私が改善したことで、プログラムやExcelの知識がないと対応しづらい運用になっていたのです。
つまり、業務を改善したつもりが、結果として属人化させてしまっていました。
そのため、「もっとシンプルな運用へ戻した方がいいのではないか。」とも考えました。
一方で、実際に引き継ぎを進めてみると、後任の方には十分な理解力と対応力がありました。
正直なところ、最初はそのまま引き継ぐのは無茶ではないかと思っていました。
それでも、実際の作業を見てもらい、一つひとつ説明しながら進めていくと、後任の方も少しずつ理解を深めてくれました。
途中では混乱する場面もありましたが、その都度確認しながら進めたことで、最終的には大きく運用を変えることなく引き継ぐことができました。
この経験から私が感じたのは、引き継ぎ方法は最初から決めるものではなく、相手の理解力や対応力を見ながら考えるものだということです。
やり方よりも「結果」を引き継ぐ
この経験を通して、私が意識するようになったことがあります。
それは、自分と同じやり方を求めないことです。
自分と後任は別の人です。
得意なことも違えば、仕事の進め方も違います。
そのため私は、「自分と同じように作業してほしい。」とは考えませんでした。
大切なのは、必要な結果を出せること。
例えば、
- メモの取り方
- 作業する順番
- 資料のまとめ方
などは、後任がやりやすい方法で構いません。
その代わりに重要な確認事項や、間違えると業務が止まるポイントだけは、しっかり共有するようにしていました。
手順だけではなく「理由」も伝える
私は手順だけを説明することはしませんでした。
必ず、「なぜこの作業をするのか。」まで伝えるようにしていました。
目的が分かっていれば、多少状況が変わっても、自分で考えて対応できます。
逆に、操作だけを覚えてしまうと、画面やデータが少し変わっただけで作業が止まってしまいます。
後任が一人で判断できるようになるためには、手順よりも、判断するための考え方を伝えることが大切だと思っています。
少しずつ手を離していく
私は最初から仕事を任せることはしませんでした。
まずは私が作業を行い、考え方も含めて説明します。
次に、後任に実際の作業をしてもらいます。
私は必要な時だけ補足し、できるだけ自分で考えてもらうようにしていました。
細かく口を出しすぎると、「言われた通りにしかできない人」になってしまうからです。
そして最後は、一人で仕事を進めてもらいます。
私はその間、本来の仕事をしながら見守り、本当に困った時だけフォローしていました。
後任が一人で判断し、最後まで仕事を終えられるようになれば、安心して任せられます。
質問しやすい空気を作る
引き継ぎ漏れを防ぐためには、後任から質問してもらうことが欠かせません。
私は、「分からないことがあれば遠慮なく聞いてください。」と最初に伝えていました。
質問されることで、
- 「ここは説明していなかった。」
- 「ここは思っていた以上に分かりにくかった。」
と、自分でも説明不足に気付くことがあります。
また、「私も最初はここで失敗しました。」という話もよくしていました。
失敗談を話すだけでも、相手は質問しやすくなります。
質問は、後任の理解を深めるだけではありません。
教える側が引き継ぎ漏れに気付く、大切な機会でもあります。

マニュアルは一緒に作る
当時は本当に忙しく、引き継ぎだけに十分な時間を使える状況ではありませんでした。
そのため、後任にも作業をしながらメモを取り、自分でマニュアルを作ってもらっていました。
人によって、
- 覚えやすい順番
- メモの取り方
- 確認したいポイント
は違います。
だからこそ、自分で整理してもらうことにも意味があります。
最後に私の認識と照らし合わせ、重要な内容だけ確認していました。
教えすぎないことも大切
今振り返ると、「もっと説明しておけばよかった。」というよりも、「少し説明しすぎたかな。」と思っています。
業務を止めたくないという気持ちが強く、細かなことまで説明していました。
しかし、細かく説明しすぎると、自分で考える機会を減らしてしまいます。
途中からは、後任に任せる部分を少しずつ増やしていきました。
引き継ぎは、「全部教えること」ではありません。
「自分で考えられるようになること」が目的だと思っています。
現場でしか分からないことを伝える
手順書だけでは伝えられない情報もあります。
例えば、
- システム特有のクセ
- よくあるトラブル
- 社内で詳しい人
- 困った時に相談できる相手
などです。
私は、
- 「この件なら○○さんに聞くと早い。」
- 「このトラブルなら、まずここを確認する。」
というような情報も、できるだけ伝えるようにしていました。
こうした現場の経験は、後任が困った時の大きな助けになります。
まとめ
私にとって引き継ぎが成功したと言えるのは、後任が一人で判断し、問題なく仕事を終えられるようになることです。
自分と同じやり方である必要はありません。
後任が自分なりに考え、自分のやり方で結果を出せるのであれば、それで十分です。
今回の経験を通して改めて感じたのは、「自分のコピーを作らない」ということではなく、相手に合わせて引き継ぎ方を考えることが大切だということでした。
引き継ぎは、仕事を渡すことではありません。
後任が自分で考え、一人で判断し、安心して仕事を任せられる状態を作ることです。
私自身、この経験を通して、引き継ぎとは単に業務を教えることではなく、相手が自分らしく仕事を進められる土台を作ることなのだと改めて感じました。
この記事が、これから異動や退職、担当変更などで引き継ぎを行う方の参考になれば幸いです。
他にも社内SE時代の経験や仕事の進め方について発信していますので、よろしければぜひ他の記事もご覧ください。
関連記事
👉 【元社内SE】「帰る自由」と「支える責任」は両立できると思う
👉 【元社内SE】トラブル対応で一番大切にしていた初動とは?
👉 【元社内SE】「無ければ作る」で生まれたバッチサーバー|余っていたパソコンが業務を支えた
👉 【元社内SE】PC入れ替えで「あとは自分でお願いします」と伝える本当の理由
「もしこの記事が役に立ったと感じたら、SNSでシェアしていただけると嬉しいです!」
その際、インスタグラムやX(Twitter)で**「フォロー」や「シェア」**してもらえると、次の記事を書く大きな励みになります!
他にもSEの裏話や便利なガジェットやちょっと一息つけるようなコラムも用意していますので、ぜひご覧ください。


コメント