今日もお疲れ様です。
前回は、社内SEとして働いていた頃の服装についてご紹介しました。
まだご覧になっていない方は、ぜひこちらもご覧ください。
👉 【元社内SE】打ち合わせでも作業着でした|机の下に寝転ぶ仕事もあるから選んだ服装

今回は、社内SEなら一度は冷や汗をかくかもしれない「マスタデータの一括更新」のお話です。
私が担当していた販売管理システムでは、商品マスタだけでなく、得意先や仕入先など、多くのマスタをExcelで一括更新していました。
変更件数が数件程度なら画面から手修正しますが、数百件、数千件ともなると、一括更新を使わなければ現実的ではありません。
実際、システム導入時には5万件近いデータを一括登録したこともありました。
便利な機能ですが、一歩間違えると大量のデータを一瞬で書き換えてしまう怖さもあります。
今回は、私自身が経験した一括更新での失敗談をご紹介します。
社内SEに残された唯一の武器「Excelインポート」
私が利用していた販売管理システムでは、データベース(DB)を直接更新することは基本的にできませんでした。
マスタを更新するには、システム指定のExcelテンプレートへデータを入力し、インポートするしかありません。
商品名の変更も、購買部からワークフローで正式に承認されたものをまとめて更新していました。
「データベースを直接更新すれば早いのでは?」と思われる方もいるかもしれません。
確かに、データベースを直接操作すれば短時間で更新できるケースもあります。
しかし、メーカーが想定していない方法でデータを変更すると、データの整合性が崩れたり、思わぬ不具合が発生したりする可能性があります。
また、そのような状態になると、メーカーサポートの対象外となる場合も多くありました。
そのため、通常のマスタ更新は、システムが用意しているExcelインポート機能を利用していました。
もちろん、どうしてもデータベースを直接変更しなければ対応できないケースもありました。
そのような場合は、メーカーへ事前に相談し、リスクや影響範囲を確認したうえで、「こちらの責任で実施する」という前提で対応していました。
データベースを直接更新することは、決して「早いから」という理由だけで行うものではなく、最後の手段として慎重に判断していました。
数時間かけてデータを作成し、本番環境へインポート。
画面に「完了」と表示された瞬間は、毎回ほっとします。
「これで終わった。」とそう思った直後でした。
「商品名が変です」の一言で凍りつく
内線電話が鳴りました。
同僚:「商品名がおかしいことになっているんだけど……。」
私 :「確認して折り返します。」(まずい、絶対さっきのExcelだ。)
その瞬間、嫌な予感がしました。
もし一件だけではなく、元データがおかしければ、更新した数千件すべてが同じ状態になっている可能性があります。
一括更新は便利ですが、良いデータも悪いデータも関係なく、そのまま登録してしまいます。
電話を切ると、すぐに元のExcelファイルを開いて確認しました。

原因はExcelの操作ミス?
元のExcelを確認すると、商品名が文字化けしていました。
正確な原因は今でも分かっていません。
ただ、Excelを操作している途中で何らかの変換が入り、そのままインポートしてしまった可能性が高いと考えています。
Excelは便利なソフトですが、自動変換や書式の変更など、人が気付かないうちにデータが変わってしまうことがあります。
この時も、その変化に気付けませんでした。
「もう一度インポート」ができない
「修正して、もう一度インポートすれば終わる。」
最初はそう思いました。
ところが仕様書を確認すると、一部の項目は一括更新に対応していませんでした。
つまり、修正するには商品画面を一件ずつ開き、画面から修正していくしかありません。
その瞬間、「終わった……。」と思いました。
結局、数千件の商品を半日かけて修正することになり、その日は残業になりました。
元社内SE Tips
更新件数によって方法を使い分ける
私の場合、変更件数が数件程度なら画面から直接修正していました。
しかし、数百件、数千件になると手作業では現実的ではありません。
そのため、Excelインポートを利用して一括更新を行っていました。
一括更新はとても便利な機能ですが、件数が多いほど確認の重要性も高くなります。
「数が多いからこそ、最後の確認を丁寧に行う。」
これは、社内SEとして仕事をする中で常に意識していたことの一つでした。
再発防止のために
ようやく数千件の修正が終わった頃には、右手はマウスを握り続けたせいで少し固まっていました。
今回の失敗で改めて感じたことがあります。
それは、一括更新そのものが危険なのではなく、「大丈夫だろう」と思い込んでしまうことが一番危険だということです。
私は一人情シスだったため、ダブルチェックをしてくれる人はいませんでした。
最終確認ができるのは、自分だけです。
とはいえ、この出来事をきっかけに運用を大きく変えたわけではありません。
数千件ものデータを手作業で更新することは現実的ではなく、一括更新はこれからも必要な機能でした。
だからこそ、今まで以上に確認を丁寧に行うようになりました。
【後日談】今度は営業部からSOS
数日後、営業部から内線が入りました。
「ちょっと来てもらえませんか……。」
嫌な予感がしながら向かうと、担当者が困った顔で待っていました。
話を聞くと、販売単価を一括更新した際に、約1万件の単価を削除してしまったとのことでした。
幸い、インポートに使用した元のExcelデータが残っていたため、そのデータを再登録し、短時間で復旧することができました。
担当者は何度も謝っていましたが、数日前の自分も同じような気持ちだったことを思い出しました。
「一回は、みんなやってしまうもんなんよね。」
もちろん、失敗しないことが一番です。
それでも、一度経験すると、一括更新の怖さは二度と忘れません。

元社内SEから伝えたいこと
社内SEをしていると、「できるだけ早くお願いします。」と言われることがあります。
もちろん、急ぐことも仕事の一つです。
でも、そんな時ほど私は心の中でこう思います。「失敗してもいいの?」と。
数分早く終わらせるために確認を省略してしまうと、その後に何時間もの復旧作業が待っていることもあります。
一括更新は便利な機能ですが、一度実行すると簡単には元へ戻せません。
だから私は、急いでいる時ほど一度立ち止まり、最後の確認だけは必ず行うようにしています。
Q&A
Q. 一括更新を行う前に、一番大切なことは何ですか?
A. インポートするデータを最後まで確認することです。件数が多いほど、一つのミスが大量のデータへ反映されてしまいます。急いでいる時ほど、一度立ち止まって確認することをおすすめします。
Q. データベースを直接変更した方が早いのでは?
A. 技術的には可能なケースもありますが、メーカーが想定していない方法でデータを変更すると、データの整合性が崩れたり、サポート対象外になったりする場合があります。通常はシステムが用意した更新方法を利用し、どうしても直接変更が必要な場合は、メーカーと相談したうえで慎重に対応していました。
まとめ
一括更新は、社内SEにとって欠かせない便利な機能です。
数十件から数千件、システム導入時には数万件のデータを扱うこともあり、一件ずつ手入力していては業務になりません。
だからこそ、一括更新を安全に使うためには、最後の確認が何より重要になります。
急いでいる時ほど落ち着く。
確認だけは絶対に省略しない。
これは社内SE時代に私が学んだ、大切な教訓の一つです。
いかがでしたでしょうか。
ほかにも社内SE時代の経験をもとにした記事を投稿しておりますので、よろしければご覧ください。
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