【実話】残業が美徳だったあの日、上司が僕に「ナマケモノを目指せ」と言った真意

僕の新人SE時代、デスク周りには異様な光景が広がっていました。リポビタンDやユンケルの空き瓶が、まるでボーリングのピンのように一列に並んでいるのです。
当時は「残業してナンボ」という空気が色濃く残る時代。深夜まで明かりがつくオフィスで目を血走らせてキーボードを叩くことこそが誠実さであり、デスクに並んだ空き瓶の数は、自分がどれだけ頑張ったかを示す「勲章」だと本気で思っていました。
バキバキの肩を回しながら、その空瓶の列を誇らしげに眺めていた僕。そんな僕の背中に、教育係のベテラン上司が冷めた声で言いました。
「君さ、そんなもの並べて悦に入ってないで、もっとナマケモノを目指しなよ」
「え、サボれってこと…?」と戸惑った僕でしたが、実はその言葉こそが、過酷な現場を生き抜くための最強の生存戦略だったのです。
上司が教えた「ナマケモノの1日」
「いいかい、仕事なんてちょっとグダグダやるくらいが丁度いいんだよ」
そう言った上司の仕事ぶりは、驚くほど「力の抜き方」が絶妙でした。
- 午前中: あえて「グダグダ」とアイドリング状態で過ごし、情報の整理に徹する。
- 午後(昼過ぎ): 少しだけ本気を出して、コアなタスクを一気に片付ける。
- 夕方5時: 帰り支度をしながら、淡々と作業。そして少しだけ残業したフリをして、ささっと帰る。
「定時即退社は角が立つからね。15分だけ『難しそうな顔』をして残って、それからニコニコして帰りなさい」
それは根性論が支配する職場で僕が袋叩きに遭わないための、上司が貸してくれた「防弾チョッキ」でした。
社内SEを救う「2割の余白」という武器
社内SEになってから、この「ナマケモノの教え」がどれほど重要かを痛感する場面がありました。
ユーザー部署の人たちは、常に忙しさの限界で仕事をしています。そんな中でシステムトラブルが起きれば、彼らはパニックになり、殺気立って連絡してきます。もし自分も120%のフル稼働で余裕がなかったら、どうなっていたでしょうか。
「今忙しいんで無理です!」と余裕なく打ち返してしまえば、社内SEとしての信頼は一瞬で崩れます。
でも、常に「2割の余白」を持ってナマケモノを気取っていた僕は、突然のトラブルにも「はい、すぐ見ますよ」と涼しい顔で対応することができました。
「自分に余裕がないと、人を助けることはできない」
トラブル対応がメインの社内SEにとって、あえて「ナマケる」ことで作る心の余裕は、最高のサービス品質だったのです。
パソコンに「泥を被ってもらう」エンジニアの矜持
「一生懸命に手作業で残業するなんて、パソコンに対して失礼だよ。彼らに泥を被ってもらいなさい」
周囲が「根性」でExcelの山に挑む横で、上司は僕に「どうサボるか」のために時間を使わせました。3時間かかる作業を、半日かけて作ったツールで5秒に縮める。
「みんなが1時間残業するなら、君は仕組みを作って55分ナマケる方法を考えろ。それがエンジニアの正義だ」
この「自動化への執着」こそが、真の意味で会社を効率化させる道でした。
結び:若い頃の自分に伝えたい「本当の自分改革」
今、振り返ると、当時の自分の「頑張り」がいかに危ういものだったか、深く反省しています。
無駄な手作業を「一生懸命」という言葉で正当化した結果、体をつぶし、自分を極限まで追い込んでしまったことが何度もありました。
当時は「不真面目な教え」に聞こえた上司の言葉。でも今ならわかります。
「エンジニアなら、楽をするための努力を惜しむな」
それは、道具を駆使して「自分自身を改革し続けろ」という熱いエールだったのだと。
「どうすれば、もっとナマケられるか?」
この問いは、今でも僕の大切な指針であり、僕自身の教条(ポリシー)です。
もし今、あなたがデスクに栄養ドリンクを並べて絶望しているなら。一度キーボードを止めて、心の中に小さなナマケモノを飼ってみてください。
その問いの先にこそ、あなたを救い、エンジニアとしての本当の強さを手に入れる鍵が隠れているはずですから。
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いかがでしたでしょうか?少し変わった考え方ですが、仕事をしている人にとってこういう考え方も必要なのではないかと思いながら投稿してみました。
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