前回は、コミュニケーションが苦手だった私が、今も学び続けている理由についてブログ記事にまとめました。
人前で話すことが苦手だった私が、どのようなきっかけでコミュニケーションを学び始め、今でも学び続けているのか、その経験をお話ししています。
まだご覧になっていない方は、ぜひこちらからご覧ください。
👉 【元社内SE】人前で話せなかった私が、今もコミュニケーションを学び続ける理由

さて、今回は以前ご紹介した「商品撮影」の続編です。
前回の記事では、社内SE時代に一番やりたくなかった仕事の一つである商品撮影と、物干しざおを使って簡易撮影スタジオを作ったところまでお話ししました。
まだご覧になっていない方は、ぜひこちらからご覧ください。
👉 【元社内SE実録】一番やりたくなかった仕事|物干しざおで撮影スタジオを作った話
今回は、その簡易撮影スタジオがどのような構造だったのか、そして裏側でどれだけ準備や工夫を重ねていたのかをご紹介したいと思います。
※イラストは当時の様子をもとにしたイメージです。実際に作った簡易撮影スタジオとは細かな違いがありますが、おおむねこのような構成で、一人で組み立てて撮影を行っていました。
総合カタログを支えるための撮影スタジオ
当時、撮影した写真は総合カタログを中心に、チラシや販促資料など、さまざまな場面で使われていました。
当時は私が総合カタログの編集長も担当していたため、撮影スケジュールも自分で組んでいました。
撮影スタジオの準備には時間がかかるため、一度組み立てると数十点の商品をまとめて撮影するように計画を立てていました。
商品の魅力を正しく伝えるためには、写真の品質も重要です。
そのため、専用の撮影スタジオはありませんでしたが、自分たちで撮影環境を作る必要がありました。
物干しざおだけでは完成しなかった
前回ご紹介したように、ロールバック紙は物干し台を利用して設置しました。
しかし、それだけではきれいな写真は撮れません。
商品の影や反射をやわらかくするためには、スクリーン紙という半透明の紙も必要でした。
スクリーン紙もロール状になっていたため、最初は物干しざおを芯へ通そうとしました。
ところが、芯の穴が小さくて入りません。
「どうしようかな……。」と考えながら100円ショップを見ていると、ツッパリ棒が目に入りました。
試してみると、スクリーン紙の芯へぴったり入ります。
スクリーン紙はツッパリ棒へ通し、物干し台のもう一本の竿へ設置することで解決しました。
ただ、ツッパリ棒なので強い力がかかると外れてしまうことがあります。
そのため、扱いには十分注意しながら使用していました。
光をやわらかくするための工夫
スクリーン紙を設置しただけでは終わりではありません。
今度は、そのスクリーン紙へ上から光を当てる必要があります。
そこで左右にハンガーラックを並べ、その上へ木の板を渡しました。
さらに木の板の上へLEDライトを設置し、スクリーン紙の上から商品を照らす構造にしました。
スクリーン紙の手前側は別のハンガーラックを利用して支え、セロハンテープで固定します。
必要に応じて照明を追加したり、布で光を遮ったりしながら、商品の反射や影を調整していました。
今思えば、
- 物干し台
- 物干しざお
- 100円ショップのツッパリ棒
- ハンガーラック
- 木の板
- LEDライト
と、専用品ではなく身近なものばかりです。
それでも、必要な役割を一つずつ考えながら組み合わせることで、撮影スタジオとして十分機能していました。
完成まで約1日。そこから約1週間の撮影
この撮影スタジオは、最初に完成させるまで試行錯誤を重ね、約1日かかりました。
また、撮影場所は倉庫の空いているスペースや食堂だったため、常設することはできません。
撮影のたびに道具を運び、設営し、撮影が終われば片付ける必要がありました。
スタジオを組み立てたあとは、約1週間かけて数十点の商品をまとめて撮影していました。
準備に時間がかかるからこそ、一度組み立てた環境を最大限活用していたのです。

撮影よりも大変だった「撮影前」の仕事
さらに困っていたのが、撮影道具が共有備品だったことです。
必要な照明や備品が別の部署へ持って行かれていることも珍しくありませんでした。
そのため、撮影を始める前に各部署を回って必要な道具を回収するところから始まる日もありました。
ようやく道具がそろってからスタジオを組み立て、撮影が始まります。
商品によっては、大きすぎて撮影スペースへ収まらず、照明やカメラの位置を何度も調整したこともありました。
撮影が終われば、今度はすべて片付けて道具を元の場所へ戻します。
商品撮影と聞くと、カメラを構えて写真を撮る仕事を想像するかもしれません。
しかし実際は、「回収・準備・設営・撮影・画像加工・片付け・返却」まで含めて商品撮影でした。
一番気を使ったのは安全面
この簡易撮影スタジオで一番気を使っていたのは、安全面でした。
物干し台やハンガーラック、木の板などを組み合わせて作っていたため、「崩れないようにすること」を常に意識していました。
幸い、安全を確認しながら使用していたので、スタジオが崩れることは一度もありませんでした。
それでも毎回、「今日も無事に終わってくれ。」と少し緊張しながら撮影していたことを今でも覚えています。
一番つらかったのは撮り直し
そして、一番精神的につらかったのが撮り直しです。
スタジオを片付け終わった頃に、「この商品だけ撮り直してください。」と言われることもありました。
もちろん仕事なので撮り直し自体は仕方ありません。
しかし、その一枚のために、また最初からスタジオを組み立て直します。
正直、「撮影前に確認できなかったかな……。」と思うこともありました。
写真を一枚撮るだけなら数秒です。
しかし、その一枚を撮るためには、撮影できる環境をもう一度作らなければなりません。
この経験から、私は事前確認の重要性を強く意識するようになりました。
約7年間使い続けた撮影スタジオ
この手作りの簡易撮影スタジオは、約7年間使い続けました。
撮影した写真は総合カタログを中心に、チラシや販促物など、さまざまな場面で活用されています。
見た目は物干し台やハンガーラックを組み合わせただけの簡易スタジオです。
しかも、こっそり作っていたので、周りの人は気づいていなかったと思います。
それでも、このスタジオがあったからこそ、多くの商品写真を撮影し、会社の情報発信を支えることができました。
今振り返ると、これはDIYというよりも現場改善だったのだと思います。
おわりに
当時は「もうやりたくない。」と思いながら商品撮影をしていました。
しかし今振り返ると、「無ければ作る。あれば使い道を増やす。」という考え方を自然と実践していた仕事でもありました。
専用品がなくても、目的を達成する方法は考えられます。
限られた環境の中で工夫しながら形にしていく。
その経験は、社内SEとしてだけではなく、今の仕事にも活きている大切な財産です。
もしこの記事を読んで、「商品撮影は写真を撮るだけではない」ということが少しでも伝わったなら、とてもうれしく思います。
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