こんにちは。
前回は、Google AIに絶滅危惧種と言われてしまった話をブログ記事にまとめてみました。まだご覧になっていない方はこちらからご確認できますので、ぜひご覧ください。
👉 Google AIに「絶滅危惧種」と言われた話|AIを使ってブログを俯瞰してみた

今回は、社内SEとして働いていた頃、一番やりたくなかった仕事についてお話しします。
社内SEとして20年以上働いてきました。
システム開発や業務改善、サーバー構築、ネットワーク管理など、本当にさまざまな仕事を経験しました。
以前ブログでも書きましたが、私が苦手だった仕事の一つがデザインです。
👉 【社内SEあるある】「ITに詳しいよね?」の一言で総合カタログの編集長になった話
しかし、そのデザイン以上にやりたくなかった仕事があります。
それが、総合カタログの商品撮影でした。
理由は単純です。
私はカメラに関して本当に素人だったからです。
趣味で一眼レフを使っていたわけでもありませんし、商品撮影の知識も経験もありません。
それでも、この仕事を担当することになりました。
なぜ私が担当することになったのか
当時、社内には撮影専門の担当者はいませんでした。
デザイン担当も編集長も兼任しており、商品撮影を専門に行う人もいません。
そして、この仕事は……
誰もやりたがりませんでした。
今なら、その理由がよく分かります。
撮影するだけでは終わらず、背景や光、ピントなど、細かいところまで気を配らなければならない仕事だったからです。
その結果、私が担当することになりました。
今思えば、「なぜ社内SEが?」と思いますが、中小企業では担当業務の枠を超えて仕事を任されることは珍しくありません。
総合カタログ制作が始まる
会社には一眼レフのデジタルカメラがありました。
まずは商品を撮影することになり、早速撮影を始めました。
私が撮影した商品だけでも、おそらく100種類以上はあったと思います。
もちろん、それまで使われていた商品写真もありましたが、新商品の追加や差し替えなど、撮影する商品は想像以上に多くありました。
商品によって大きさも形も違うため、同じように撮影すれば終わりという仕事ではありません。
最初は、「写真を撮るだけなら何とかなるだろう。」と思っていました。
しかし、この時点ではまだ苦労の始まりでした。
背景紙には意味があった
当時の商品写真には、会社で決められた背景色が使われていました。
会社のこともあるため色まではお伝えできませんが、すべての商品写真が同じ背景色で統一されていました。
つまり、ただ商品を撮ればいいわけではありません。
今までの商品写真と同じ品質で撮影する必要があったのです。
会社には、その背景として使うロールバック紙もありました。
私は最初、「これをテーブルに敷けばいいんだろう。」と考えて撮影しました。
しかし、返ってきた評価は散々でした。
そこで初めて教えてもらったのが、ロールバック紙はテーブルに敷くものではなく、上から垂らして使う。ということでした。
テーブルに敷くだけでは、撮影する角度によって右上や左上に背景の外側が写ってしまいます。
では真上から撮ればいいのかというと、それも違います。
真上から撮ると、商品の立体感がなくなってしまいます。
背景をきれいに見せながら、商品の立体感も残す。
そのために、ロールバック紙は上から垂らし、テーブルのギリギリまで伸ばして使う必要がありました。
私はそのとき初めて、「背景紙にも、ちゃんと意味がある。」ということを知りました。
分かった。でも設備がない
ところが、また問題がありました。
ロールバック紙を上から垂らす設備がありません。
「じゃあ買えばいい。」と思ってAmazonやインターネットで探しました。
しかし、当時は思うような製品が見つかりません。
見つかったとしても、小さな商品の撮影用ばかりでした。
私たちが撮影する商品は、小さいものもあれば大きいものもあります。
一つのサイズでは対応できません。
会社にも相談しましたが、「そのための設備に予算は出せない。」という結論でした。
正しい方法は分かった。
でも、それを実現する方法がない。
完全に行き詰まってしまいました。
家に帰って見つけた答え
どうしたら良いんだろう?と考えながら家に帰ると、庭にある物干しが目に入りました。
- 物干しざお。
- そして、それを支える物干し台。
「……これ、使えるかもしれない。」
ロールバック紙はトイレットペーパーのように中央に芯があり、中が空洞になっています。
そこへ物干しざおを通し、左右を物干し台で支えれば、ロールバック紙を上から垂らすことができます。
必要だったのは専用スタンドではありません。
ロールバック紙を安定して支える仕組みだったのです。

翌日、自宅から会社へ運ぶ
翌日、私は自宅の物干しざおと物干し台を会社へ持っていくことにしました。
もちろん車ではありません。
歩いて約1km。
なるべく通行人の邪魔にならないように気を付けながら運びましたが、物干しざおを担いで歩いている人は珍しかったのでしょう。
すれ違う人には、不思議そうな表情で見られていました。
しかも、一度では運び切れず、自宅と会社を往復しました。
今でも、その往復が思っていた以上にしんどかったことを覚えています。
それでも、そのときの私は、「これで撮影できる。」としか考えていませんでした。
実際に組み立ててみると、思っていた通りロールバック紙を上から垂らすことができました。
当初は一時的な代用品のつもりでしたが、この撮影スタジオは約7〜8年間、最後まで活躍してくれました。
撮影は想像以上に難しかった
撮影スタジオが完成しても、仕事が楽になったわけではありません。他に必要な機材もあったうえに、商品撮影は、私が思っていた以上に奥が深い世界でした。
約1年半に一度の総合カタログ改訂のたびに、この撮影が始まります。
私はこの仕事を約7〜8年間担当しました。
そのたびに、「ああ、この時期が来たか……。」と思っていたことを今でも覚えています。
そして総合カタログが完成するたび、毎回最初に思ったことは、「ようやく解放された。」でした。
まとめ
振り返ってみると、カタログ制作に関わる仕事は、私の中では最後まで一番手放したかった仕事でした。
その中でも、特に商品撮影は一番苦手な仕事でした。
それでも、この経験が無駄だったとは思っていません。
撮影スタンドがなければ、物干しざおで代用する。
「専用の道具がない」ではなく、
「目的を果たすために、本当に必要なものは何か。」
そう考える習慣は、この仕事を通して身に付いたように思います。
今ではブログ用の写真をiPhoneで撮るくらいなので、本当に楽になりました。
当時のように背景や光、反射まで細かく気にする必要もありません。
あの頃は本当にやりたくない仕事でしたが、今振り返ると、その経験が少しはブログの写真にも活きてくれていたらいいなと思っています。
商品撮影そのものについては、今回書ききれなかったことがまだたくさんあります。
一つの商品を何十枚も撮影したことや、立体の商品を写真で表現する難しさなどは、また別の機会にまとめてみたいと思います。
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