前回は、7年間使い続けた手作り撮影スタジオの裏側について、ブログ記事にまとめました。
身近なものを工夫しながら作り上げ、実際の業務で長く使い続けた撮影環境についてご紹介しています。
まだご覧になっていない方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。
👉 【元社内SE実録】物干しざおだけじゃなかった|7年間使い続けた手作り撮影スタジオの裏側

仕事をしていると、お客様や同僚、取引先など、さまざまな方から相談を受ける機会があります。
- 「パソコンが動かない」
- 「プリンターから印刷できない」
- 「この作業をもっと楽にできないだろうか」
このような相談を受けるとき、私は相談内容とあわせて確認することがあります。
それは、できるだけその人の状況や置かれている環境など、「背景」を確認することです。
毎回、上手くいっているわけではないですが、相談内容だけを見て判断すると、本当の原因を見落としてしまうことがあります。
だからこそ私は、「何に困っているのか」だけではなく、「この人はどのような状況で困っているのか」という部分まで見ることを大切にしています。
今回は、社内SE時代の経験から身についた「相談を受けたときに背景を考える」という私なりの仕事の考え方についてお話ししたいと思います。
相談で伝えられるのは表面的な問題であることも多い
何か問題があって相談を受ける場合、相談者から伝えられるのは、目の前で起きている表面的な問題であることが少なくありません。
しかし、実際に解決しなければならないのは、その奥にある原因であることもあります。
その人がどのような状況に置かれ、何に困っているのか。
そこまで理解することで、本当に解決すべきポイントが見えてくることがあります。
これは、社内SEとしてさまざまなトラブルや相談に対応してきた中で身についた考え方です。
「プリンターから印刷できない」だけでは原因は分からない
例えば、「プリンターから印刷できない」という相談があったとします。
相談を受けた時点で分かっているのは、基本的には「印刷できない」という事象だけです。
一見するとプリンターの故障のように思えるかもしれません。
しかし、実際には、
- パソコン側の設定に問題がある
- ネットワークの設定がおかしい
- LANケーブルが断線している
- プリンター側の設定が変わっている
- プリンターそのものに問題がある
など、さまざまな原因が考えられます。
実際に私も、プリンターが故障していると思われていたものが、調べてみるとLANケーブルに原因があったという経験があります。
つまり、「プリンターから印刷できない」という事象は同じでも、その背景にある原因によって解決方法はまったく変わってくるわけです。

一人なのか、全員なのかを確認する
トラブル系の相談を受けたとき、私が確認することの一つが、「一人だけで起きているのか、それとも全員で起きているのか」という被害状況です。
例えば、あるシステムが使えないという相談があったとします。
一人だけで発生しているのであれば、その人が使っているパソコンやアカウント、設定などに問題がある可能性があります。
一方で、全員が同じように使えないのであれば、サーバーやネットワークなど、全員に共通する部分に問題がある可能性が高くなります。
もちろん、それだけで原因を断定できるわけではありません。
しかし、「誰に、どこまで影響しているのか」を確認することで、どこから調べればいいのかをある程度絞ることができます。
同じ相談内容であっても、状況によって調査する順番や解決へのアプローチは変わります。
場合によっては上長に代わってもらう
そのため、ユーザーから連絡をいただいた場合でも、状況によっては上長の方に代わっていただくこともありました。
なぜなら、相談されている問題が、その人だけの問題とは限らないからです。
本人だけに発生している問題であれば、本人から詳しく状況を聞いた方が早いでしょう。
しかし、部署全体や複数人に影響している問題であれば、その人だけから話を聞いていても全体像が分からない場合があります。
そのような場合には、現場全体の状況を把握している上長の方から話を聞いた方が、状況を整理しやすいことがあります。
つまり、「何を聞くか」だけではなく、「誰から話を聞くか」ということも、問題を把握するためには大切だと考えています。
システムを変えなくても解決することがある
背景を確認することは、トラブル対応だけではありません。
例えば、「システムを改修してほしい」という相談を受けたとしても、必ずしもシステムを改修することが正解とは限りません。
話を聞いていくと、システムそのものではなく、現在の運用方法に問題があることもあります。
その場合、システムを改修するのではなく、運用ルールを変更するだけで問題を解決できることがあります。
システム改修には時間も費用もかかります。
相談された内容をそのまま受け取って「では改修しましょう」と進めるのではなく、「そもそも、なぜこの改修が必要なのだろう」と考えてみる。
そうすることで、別の解決方法が見えてくることがあります。
人から受ける相談も同じ
私は、これはITのトラブルだけではないと思っています。
人から相談を受ける場合も同じです。
その人の立場や置かれている状況、これまでの経緯によって、必要な解決方法は変わってきます。
同じような悩みに見えたとしても、その人の状況が違えば、解決へのアプローチもまったく違う場合があります。
そのため私は、「この方法なら誰にでも当てはまる」という考え方はあまりしません。
相談内容だけで結論を出すのではなく、
- 「この人はどのような人なのか」
- 「どのような立場にいるのか」
- 「なぜ、この相談をすることになったのか」
といったことも意識しながら話を聞くようにしています。
経営者と現場では見えているものが違う
同じ事象であっても、経営者から見えている視点と、現場で働いている人から見えている視点は異なる場合があります。
社内SE時代には、経営者から相談を受けることもあれば、現場の方から相談を受けることもありました。
私の経験では、経営者の方からは、何らかの情報をもとに、
- 「こういうものがあるらしい」
- 「こういうことができないか」
といった形で連絡をいただくことが多かった印象があります。
一方、現場からは、
- 「この作業で困っている」
- 「これが動かない」
といった、実際の業務に直結した相談が多くなります。
どちらが正しい、間違っているという話ではありません。
立場が違えば、見えているものも違うということです。
だからこそ、「何を相談されたのか」だけではなく、「誰が、どの立場から相談しているのか」という部分も考える必要があります。
今でもヒアリング不足で失敗する
ここまで書くと、私が毎回きちんと背景を確認できているように見えるかもしれません。
しかし、実際には今でも失敗することがあります。
ヒアリングが足りず、いろいろと原因を考えて調べた結果、単純にディスプレイの電源が抜けていただけだったということもあります。
難しい原因を考えすぎて、非常に単純なところを見落としてしまうことはあります。
だからこそ、相談内容から勝手に原因を決めつけず、基本的なことも含めて一つずつ確認することが大切だと感じています。
背景を見ることは、何か特別な技術というよりも、「思い込みで判断しない」ための習慣なのかもしれません。
相談内容はあくまでも入口
相談を受けたとき、相手が最初に話してくれる内容は、とても重要な情報です。
ただ、それが問題のすべてとは限りません。
相談内容は、問題を解決するための入口だと私は考えています。
そこから、
- 「なぜ、この問題が起きているのか」
- 「誰が困っているのか」
- 「どこまで影響しているのか」
- 「その人はどのような立場なのか」
と少しずつ確認していくことで、本当に解決すべき問題が見えてくることがあります。
私は、相談を受けるということは、単に問題を聞いて答えを出すことではなく、その人が本当に何に困っているのかを理解することだと思っています。
表面的な問題だけを解決しても、その原因が残っていれば、また同じ問題が起きるかもしれません。
だからこそ私は、これからも相談内容だけではなく、その人の立場や状況、その背景まで理解した上で、解決方法を考えることを大切にしていきたいと思います。
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