こんにちは。
前回は、プログラムのコメントの重要性についてブログ記事にまとめました。
プログラムを書いたことがある方なら、「あるある」と感じていただける内容だと思います。
まだご覧になっていない方は、ぜひこちらもご覧ください。
👉 【元社内SE】「これ、何してるんや?」昔書いたプログラムが他人になる理由

期末や期の始めになると、社内SEは一気に忙しくなります。
ただ、その忙しさは外から見ると、あまり伝わりません。
「最近忙しそうだけど何をしているの?」と聞かれることもありますが、実際は会社が新しい期を迎えるための準備を裏側で進めています。
一つひとつの作業は派手ではありません。しかし、一つでもミスをすると会社全体の業務へ影響することもあります。
今回は、元社内SEとして実際に担当していた期末・期初の業務を紹介します。
期末・期初の社内SE業務まとめ
まずは、この時期にどのような業務があるのかをまとめると次のようになります。
| タイミング | 業務 | 特徴 |
|---|---|---|
| 期末 | 決算棚卸対応 | 数字が合わないと会社全体へ影響 |
| 期末 | 受注データの集計 | お客様から一年間の集計データを求められることがある |
| 期初 | 人事異動対応 | ミスすると仕事が始められない |
| 期初 | 営業マスタ更新 | 全社の数字へ影響 |
| 期初 | 営業担当変更 | 一括更新が多い |
| 期初 | 権限変更 | 情報漏洩・業務停止防止 |
| 期初 | 新システム稼働 | 問い合わせが集中 |
期末に発生する業務
■ 決算棚卸の対応
主な作業は、
- システム上のデータ確認
- 在庫・数値の整合性確認
- 必要に応じたデータ修正
です。
経理や現場と連携しながら進めるため、数字が合わないと一気に緊張感が高まります。
半年に一度しか行わない会社も多く、自分自身も手順を思い出しながら進めることがありました。
私が最も神経を使っていたのもこの作業です。
一度、大きなマイナスが表示され、一瞬頭が真っ白になったことがあります。
最終的には原因が判明しましたが、数字一つで会社の利益や経営判断にも影響する可能性があるため、この作業だけは特に慎重に進めていました。
逆に、現場が手順どおり動いてくれると作業は非常にスムーズに進みます。
■ 受注データの集計
私が担当していた会社では、期末になるとお客様から**「一年間の受注実績を集計して提出してほしい」**という依頼を受けることがありました。
主な作業は、
- 一年間の受注データ抽出
- 条件に合わせた集計
- 提出用フォーマットへの加工
です。
普段の営業活動では、このような集計を行う機会はほとんどありません。
そのため、営業だけでは対応が難しく、社内SEがデータベースから必要なデータを抽出し、集計表を作成していました。
お客様ごとに必要な項目や集計条件が異なることも多く、「この条件でも集計できますか?」という追加依頼を受けることも少なくありません。
そのたびに抽出条件やSQLを調整し、お客様が求める形でデータを作成していました。
一見単純な集計作業に見えますが、正確なデータを短期間でまとめる必要があるため、意外と時間と手間がかかる業務でした。
期初に発生する業務
■ 人事異動・転勤対応
- アカウント作成
- グループウェア設定
- メール・所属・権限変更
ここでミスをすると、
- ワークフローが流れない
- 休暇申請が前の上司へ届く
- メール登録漏れで発注できない
など、仕事が始められない人が発生します。
私が担当していた会社では異動は3人程度でしたが、それでも設定には2〜3日ほどかけて慎重に確認していました。
人数は少なくても、一人ひとり設定内容が異なるため、チェックリストを見ながら作業を進めていました。
■ 営業マスタ更新
営業マスタとは、営業目標や担当者情報など、会社全体で利用する基本データのことです。
期初には、このデータを新しい年度の内容へ更新していきます。
ただ入力するだけではなく、「この数字、本当に合っているのか?」という違和感があれば、登録前に責任者へ確認していました。
更新前にデータを確認することが、大きなトラブルを防ぐことにつながります。
■ 数字を見ると違和感が出ることがある
例えば、
- 一人だけ粗利率が極端に高い
- 全体のバランスから見て数値が突出している
こうした違和感が、実際に入力ミスだったことも少なくありません。
こうした感覚は、長年同じデータを見続ける中で自然と身についていったものだと思います。
■ 営業担当者の一斉変更
異動に合わせて担当者情報をまとめて更新します。
件数が多い場合はSQLや一括更新を利用しますが、対象を間違えると広範囲へ影響します。
私自身も冷や汗をかいた経験があり、それ以降はバックアップと事前確認を必ず行うようになりました。
👉 【情シス実録】マスタ一括更新の罠。「商品名が変」と言われた社内SEの右手は、静かに震え始めた。
■ 権限変更
役職変更や異動に合わせて、
- 閲覧権限
- 承認フロー
- 管理者権限
などを変更します。
例えば、管理職へ昇格した人には必要な権限を追加し、異動した人には不要になった権限を外します。
この設定を誤ると、本来見えてはいけない情報が見えてしまったり、必要な申請ができなくなったりするため、情報漏洩や業務停止につながる可能性があります。
そのため、この作業も一つひとつ確認しながら慎重に進めていました。

新システム稼働が重なるとさらに忙しい
期初に新システムを稼働させる会社もあります。
しかし、この時期は通常業務だけでも忙しいため、
- ログインできない
- 印刷できない
- 画面が違う
といった問い合わせが一気に集中します。
一番大変なのは、想定どおり動かないケースです。
予定していた作業が止まると、その場で原因を調べながら対応しなければならず、スケジュールも大きく変わります。
詳しくは書けませんが、今でも忘れられない大きなトラブルがありました。
その経験があったからこそ、事前確認やバックアップをより徹底するようになりました。
また、この時期だけ特別忙しいというよりも、当時は普段から残業することも多かったため、「さらに忙しくなる時期」という感覚でした。
社内SE独自の忙しさ
社内SEは、「会社全体が仕事を始められる状態を作る仕事」です。
営業は売上を作り、製造は製品を作ります。
一方で社内SEは、社員一人ひとりが普段どおり仕事を始められる環境を整えることが役割です。
だからこそ、
- 期限が重なる
- 優先順位の高い仕事が同時に発生する
- 一つのミスが多くの部署へ影響する
という状況でも、確実に作業を進める必要があります。
派手な仕事ではありませんが、「何も起きない状態を作ること」が社内SEにとって一番大切な仕事だったと今でも感じています。
社内SEあるある
- 「ログインできません」が同時多発
- 「やっぱり元に戻して」
- 今日中案件ばかり
- Excelを見る時間が長い
忙しい日は電話が鳴りっぱなしになります。
逆に静かな日は、「今日は現場が順調だな」と安心していました。
そして、無事に終わっても、あまり気付かれることはありません。
それも社内SEらしい仕事なのかもしれません。
まとめ
期末・期初の社内SEは、
- データを整え
- 環境を整え
- 会社全体が新しい期を迎え、安心して仕事を始められる状態を作る
のが仕事です。
派手ではありませんが、一つひとつの作業が会社全体を支えています。
また、この時期は社内SEだけでは乗り切れません。
現場・営業・経理など、それぞれが役割を果たしてくれるからこそ、会社全体がスムーズに動き始めます。
私自身も、現場がスムーズに動いてくれた時ほど、「本当に助かったな」と感じていました。
これから新しい期を迎える会社も多いと思います。
裏側では、きっと多くの社内SEや情シス担当者が、会社全体が安心して仕事を始められるよう準備を進めています。
この記事を通して、普段あまり表に出ない社内SEの仕事を少しでも知っていただけたら嬉しいです。
次回は、仕事と家事の両立について、私自身の体験をもとにブログ記事にまとめました。
「ちゃんとやりたいのに、なかなか回らない。」
そんな悩みを抱えていた私がたどり着いた考え方についてお話ししています。
👉 【元社内SE】「ちゃんとやりたいのに回らない」仕事と家事を両立するために私が出した結論
関連記事
👉 【元社内SE実録】正論だけではハンコはもらえない|私が徹底した「事前相談」の仕事術
👉 【情シス実録】マスタ一括更新の罠。「商品名が変」と言われた社内SEの右手は、静かに震え始めた。
👉 【元社内SE】「これ、何してるんや?」昔書いたプログラムが他人になる理由
「もしこの記事が役に立ったと感じたら、SNSでシェアしていただけると嬉しいです!」
その際、インスタグラムやX(Twitter)で**「フォロー」や「シェア」**してもらえると、次の記事を書く大きな励みになります!
他にもSEの裏話や便利なガジェットやちょっと一息つけるようなコラムも用意していますので、ぜひご覧ください。


コメント