今日もお疲れ様です。
中小企業の社内SEをやっていると、「え、それOKなん?」という場面に出くわすことがあります。

中には、「ルールがないからOK」と判断されてしまうこともあり、現場としては少しヒヤッとする瞬間です。
今回は、そんな実際にあった出来事をお話しします。
「誰だ。パソコンを持ち込んでいいって言ったやつは?」
ある日、現場で見慣れないノートパソコンを見つけました。
社内支給ではない、明らかに“持ち込み端末”。
……その瞬間、私の頭もフリーズ。
そして、次に出てきた言葉がこれです。
「誰だ。パソコンを持ち込んでいいって言ったやつは?」
少し強めに出てしまい、普段かぶっている“猫”はそのときばかりはどこかへ行ってしまいました。
返ってきた答えが想定外
「○○役員です。」
……一瞬、私を中心に、周りの空気がピタッと止まりました。
みんなも内心、「そら、そうなるやろうなぁ」と思っていたのかもしれません。
現場あるあるですが、ルールより上位の“判断”が現れる瞬間です。
その場で状況を確認
パソコンを持参した本人に、その場で状況を一つずつ確認していったところ、
- 社内ネットワークには未接続
- ローカル利用のみ
という状態でした。
ネットワーク的なリスクは一旦クリアできたため、正直ほっとした瞬間でもありました。
ただ、ここからが本番です。
今回の問題の本質は、
👉 情報が流出していないから大丈夫、で済む話ではないという点です。
事故が起きていないことと、問題がないことは別の話です。
それでも判断は変わらない
先ほどの本人へのヒアリングの結果、即時の事故にはなっていないと判断しました。
ただ、それで終わりではありません。
許可を出した役員のもとへ行き、改めてヒアリングを行いました。
(おそらく、鬼のような形相だったと思います。)
そのうえで出した結論は――
👉 ダメなものはダメです
このように結論付け、最終的には役員の許可も撤回していただきました。
役員の判断を覆してまで、この結論を変えなかった理由は、後ほど説明します。
大事なポイントなので、少しだけお付き合いください。

リスクは会社全体に広がる
パソコンやUSBなどの記憶媒体は、
- 情報漏洩
- マルウェア感染
- 社内ネットワークへの影響
といったリスクを持っています。
正直、便利なのは分かります。
現場ではグレーになることもあります。
それでも、この問題は許可した人だけで完結する話ではありません。
会社全体に影響が広がります。
👉 リスクは個人ではなく、会社全体で背負うものです。
情報漏洩の重さは昔よりも大きい
今の時代、情報流出に対する扱いはかなり厳しくなっています。
- 取引停止
- 損害賠償
- 信用の低下
これらが重なることで、企業の継続が難しくなるケースもあります。
例えば、アスクルやアサヒビールのように、トラブルの影響で営業再開に時間がかかった事例もあり、こうしたリスクは決して他人事ではありません。
同じようなことが中小企業規模で発生した場合、企業の継続が難しくなるケースもあります。
だからこそ、
本来であれば避けるべき“役員の決定を覆す”という判断も、取らざるを得ませんでした。
そもそも「なぜパソコンは支給されているのか」
会社がパソコンを支給しているのは、仕事で必要だからです。
そして、パソコンがなくても業務が成立する人には、そもそも支給していません。
持ち込みで使うという行為自体が、前提からズレています。
現実の話:リソースは無限じゃない
少しきつく聞こえるかもしれませんが、
会社の経費や設置スペースは無限ではありません。
だからこそ、必要な人に必要な分だけ、管理できる形で配分されています。
ここが崩れると、
- 管理不能な機器が増える
- 責任の所在が曖昧になる
- リスクが膨らむ
という問題が発生します。
社内SEは便利さとリスクを天秤にかけている
社内SEはパソコンの便利さも理解しています。
同時に、それに伴うリスクも把握しています。
だからこそ、会社として許容できるかどうかで判断しています。
ただし、自分がルールそのものではない、という認識も重要です。
判断と伝え方は別の話
今回の件は、リスクを踏まえたうえで判断するべき案件でした。
正直なところ、このときは勢いのまま役員のところに行ってしまいました。
ただ本来であれば、
冷静に整理し、理由を説明し、納得してもらうべきだったと思います。
だからと言って、持ち込みが許されるわけではない
柔軟な判断が必要とはいえ、自分のパソコンを持ってきていいという話にはなりません。
ここが崩れると、
- 判断基準が曖昧になる
- 「前はOKだった」が増える
- ルールが形骸化する
結果として、リスクが広がっていきます。
じゃあどうするのが正しいのか
結論はシンプルです。
会社として正式にパソコンを用意すること。
これが一番自然で、一番安全な方法です。
だからこそ、社内規定は必要になる
判断が曖昧だとルールが崩れる。
小さな例外が積み重なっていく。
影響は会社全体に広がる。
👉 だからこそ、社内規定の整備は必要です。
最後に
現場からのお願いです。
👉 せめて社内SEには話を通してください。
👉 ダメって言います。
でもそれは、
制限したいからではなく、
👉 働いている仲間と会社を守るためです。
だからこそ、社内規定は必要なんです。
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今回の件も、感情で判断したわけではありません。
まず状況を確認し、情報を整理し、そのうえでリスクを考慮して判断を行いました。
トラブル対応や業務改善では、この「情報整理」と「判断」がとても重要になります。
詳しくはこちらの記事でも触れています。
👉 トラブル対応で大切なのは情報整理|5W2Hで原因究明が変わる理由
👉 トラブル対応で大切なのは仮説と検証|原因特定のための考え方
また、情報整理や責任の線引きという考え方は、意外と仕事だけの話ではありません。
漫画『薬屋のひとりごと』2巻でも、情報を整理しながら真相に近づいていく様子や、責任の所在について考えさせられる場面が描かれています。
興味があれば、こちらも読んでみてください。
👉 『薬屋のひとりごと』2巻レビュー|情報整理と責任の線引きが印象に残った話
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