前回は、私が新人だった頃に、たまに顔を合わせる上司から言われた「ナマケモノを目指せ」という言葉についてブログ記事にまとめました。
今でも仕事の考え方の原点の一つになっている言葉ですので、まだご覧になっていない方は、ぜひこちらもご覧ください。
👉 【実話】残業が美徳だったあの日、上司が僕に「ナマケモノを目指せ」と言った真意

新入社員が入ってきたり、部署異動で新しいメンバーが来たりすると、仕事を教える機会って意外と多いですよね。
教えている間は自分の仕事も止まりますし、「早く覚えてくれたら助かるな」と思うこともあると思います。
私も社内SEとして、パソコンや販売管理システムの操作だけでなく、現場での仕事や後任への引き継ぎなど、多くの方へ仕事を教える機会がありました。
その中で気付いたのは、「教えること」が目的ではなく、「相手が一人で仕事ができるようになること」が本当のゴールだということです。
今回は、私が現場で大切にしていた「育て方」についてご紹介したいと思います。
ゴールは「教え終わること」ではない
私が目指していたのは、説明を終わらせることではありませんでした。
ゴールは、「もう一人でも大丈夫です。」と言える状態まで育ってもらうことです。
そのためには、操作だけ覚えてもらっても意味がありません。
- 「なぜ、この作業をするのか。」
- 「何のために必要なのか。」
そこまで理解してもらうことを意識していました。
最初は、「ここはどうしたらいいですか?」という質問が多かった方も、「こういう場合はどうしたらいいですか?」という相談へ変わり、やがて質問そのものが少なくなっていきます。
「もう一人でも大丈夫そうだ。」
そう思えた時は、本当にうれしかったです。
相手に合わせて伝え方を変える
同じ説明でも、相手によって伝わり方はまったく違います。
だから私は、最初から専門用語ばかり使うことはしませんでした。
例えば、
「共有フォルダ」なら、「みんなが見られるデータの保管場所」
「保存」なら、「このままの状態でファイルを保管すること」
というように、できるだけイメージしやすい言葉へ置き換えていました。
また、「この作業をすると、次の人が仕事を進められるようになります。」というように、操作だけではなく、その仕事の意味も一緒に伝えるようにしていました。
一度に全部教えない
私は、一度に全部教えようとはしませんでした。
まずは一つ。
できたら次。
また一つできたら次。
そんなイメージです。
最初に教えるのも、「このアイコンをダブルクリックしてください。」と本当にそこから始めます。
手順書などの資料をPowerPointで作る時も同じ考えでした。
私は紙芝居を作るようなイメージで、一枚のスライドに伝える内容は一つか二つだけに絞っていました。
一度に多くのことを伝えるより、小さく理解を積み重ねる方が、結果的に一人でできるようになる近道だと考えていたからです。

手順書は一緒に作る
手順書も最初から完成品を渡すことはほとんどありませんでした。
用意するのは骨組みだけです。
説明を聞きながら本人にメモを書き込み、自分専用の手順書として完成させてもらっていました。
自分で書いたメモは、後から見返した時にも思い出しやすいものです。
だから、手順書も一緒に作ることを大切にしていました。
安心して挑戦できる環境を作る
私が一番気を付けていたのは、相手が恐縮しないことでした。
新しい仕事を覚える時は、それだけで緊張します。
だから、焦っていてもその様子はなるべく見せないようにしていました。
そして最初に必ず伝えていたことがあります。
- 「ここまでは失敗しても大丈夫ですよ。」
最初から完璧にできる人はいません。
ただし、
- 分からないまま進めないこと
- 同じ失敗を何度も繰り返さないこと
この二つだけは約束してもらっていました。
手を出すより、見守る
相手の手が止まると、
「あっ、そこじゃない。」
と思うことがあります。
本当は手を出したくなります。
でも、そこで代わりにやってしまうと、自分で考える力は育ちません。
まずは私がやって見せる。
次に、一緒にやる。
最後に、少し離れて見守る。
この流れを意識していました。
一番見ていたのは相手の表情
説明している時、私が一番見ていたのは画面ではありません。
相手の表情でした。
- 顔に「?」が浮かんでいないか。
- 頷いているか。
- メモを取っているか。
特にメモを取りながら聞いてくれている姿を見ると、
「ちゃんと話を聞いてくれているな。」と安心したことを今でも覚えています。
説明することよりも、相手の変化を見ることを大切にしていました。
私が育てたいのは「相棒」
私の中では、教える相手は「新人」でも「後任」でもありません。
これから一緒に仕事をする相棒です。
当時も、そして今も、その考えは変わっていません。
だからこそ、一人で仕事ができるようになってほしい。
自分で考え、自分で工夫できるようになってほしい。
そんな気持ちで接していました。
教えたことをきっかけに、自分なりの工夫を始めたり、改善案を出してくれたりする姿を見ると、本当にうれしかったことを覚えています。
そして最後に、「ありがとうございました。」と言っていただけた時は、「一緒に頑張って良かったな。」と心から思いました。
まとめ
人を育てることは簡単ではありません。
教えている間は、自分の仕事も止まりますし、思うように伝わらず悩むこともあります。
それでも、一人で仕事ができるようになった姿を見ると、「頑張って良かったな。」と自然に思えるんですよね。
人が少しずつ成長し、自分で考えながら仕事を進められるようになる姿を見られるのは、教える側にとって本当にうれしい瞬間です。
だから私は、「教える」のではなく、「育てる」という気持ちをこれからも大切にしていきたいと思います。
もしこれから新しい仲間を教える機会があれば、ぜひ「教え終わること」ではなく、「一人で仕事ができるようになること」をゴールにしてみてください。
一人で仕事ができる人が増えることは、その人の成長だけでなく、自分自身が安心して仕事を任せられることにもつながります。
次回は、何をやってもうまくいかない日に、私がどのように気持ちを切り替えていたのかをブログ記事にまとめたいと思います。
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