今日もお疲れ様です。
前回は「無ければ作る」と「いらなければやめる」という、足し算と引き算の考え方について、私自身の経験を交えながらご紹介しました。
まだご覧になっていない方は、こちらもぜひご覧ください。
👉 【元社内SE】「無ければ作る」と「いらなければやめる」|引き算で身軽になった仕事と暮らし

今回は、その「無ければ作る」という考え方を実際の業務で形にした一例として、社内SE時代に運用していたバッチサーバーについてご紹介します。
大げさなサーバーではありません。
会社で余っていた一台のパソコンを活用し、業務を止めないための仕組みを少しずつ作り上げていったお話です。
自動化が増えるほど、新しい悩みが生まれた
社内SEとして業務改善を任されるようになった頃、私はメインパソコン一台ですべての業務を行っていました。
メールの確認、プログラム開発、問い合わせ対応、資料作成など、特に不便を感じることはありませんでした。
しかし、業務改善を進めるにつれて、お客様や社内から次のような依頼が少しずつ増えていきます。
- 在庫データを定期的にアップロードしてほしい
- CSVデータを決まった時間に変換してほしい
- 売上集計を自動化してほしい
- 定期処理を実行してほしい
一つひとつは難しい処理ではありません。
しかし、「毎日」「決まった時間」「確実に実行する」というルーティンワークが増えるにつれ、メインパソコンでの仕事に影響が出始めました。
時間帯によっては5分おきに処理が発生することもあります。
プログラムを書いていても、「あと5分でアップロードしないと。」
資料を作成していても、「この処理を実行しないと。」
せっかく集中できたと思っても、そのたびに作業を中断しなければなりません。
自動化によって業務は楽になるはずなのに、自分の仕事は細切れになってしまう。
これが当時、一番の悩みでした。
余っていたパソコンを活用することに
どうすればこの状況を改善できるのか。
悩んだ末に思いついたのが、会社で余っていたパソコンを自動化専用として使うことでした。
メインパソコンは普段の業務に集中し、定期処理は別のパソコンへ任せる。
自動化専用のパソコンを一台用意し、決まった時間に処理を実行する役割を持たせました。
社内では、このパソコンをバッチサーバーのような役割として運用していました。
新品のサーバーを購入したわけではありません。
「今あるものを活かせないか。」
そんな発想から始まった運用でした。
パソコン二台運用は意外と大変
バッチサーバーを導入したことで、自動化処理は安定しました。
しかし、新しい問題も発生します。
パソコンが二台になれば、キーボードも二台、マウスも二台必要になります。
当時のデスクは広くなく、二セット並べるだけで作業スペースがほとんどなくなってしまいました。
さらに困ったのが、「今どっちのパソコンを操作していたっけ?」ということです。
メインパソコンで作業しているつもりが、実はバッチサーバー側だった。
そんなことも何度かありました。
思っていた以上に、二台運用は扱いが難しかったのです。
リモートデスクトップで解決……と思ったら
そこで、バッチサーバーはリモートデスクトップで操作する運用へ変更しました。
これならキーボードもマウスも一セットで済みます。
デスクもすっきりし、ようやく解決したと思いました。
ところが、今度はWindows Updateが立ちはだかります。
Windows Updateなどが原因で再起動してしまうと、リモートデスクトップで接続できません。
さらに、当時の環境ではログインしていないとタスクスケジューラが思うように動かず、自動化処理が開始されないこともありました。
今思えば設定を見直せば改善できた可能性もあります。
しかし、当時は業務改善や問い合わせ対応に追われており、原因をじっくり調査する時間はありませんでした。

完璧よりも業務を止めないことを優先した
そこで最終的に採用したのが、メインパソコンから毎朝7時頃にバッチサーバーへ自動ログインする仕組みです。
これによって、少なくともログイン忘れが原因でバッチ処理が実行されないという事象は防げるようになりました。
もちろん、根本的な解決ではありません。
それでも、業務へ影響を出さず、安定して運用できる状態を作ることが優先でした。
社内SEの仕事では、常に100点の解決策を選べるとは限りません。
限られた時間の中で、「今できる最善策」を積み重ねていくことも大切な仕事だったと思います。
バッチサーバーは監視サーバーにもなった
バッチサーバーは24時間稼働することが多かったため、「せっかく動かしているなら、ほかにも活用できないだろうか。」と考えるようになりました。
そこで、もう一つ役割を持たせたのがネットワーク監視です。
定期的に各拠点のルーターなどへPingを送り、正常に応答しているかを確認する仕組みも動かしていました。
応答が返ってこなければ、
- 「ルーターが落ちているのではないか。」
- 「回線トラブルが発生しているのではないか。」
そんな切り分けを早い段階で行えるようにしていました。
実際に、お客様から連絡をいただく前に異常に気付けたこともあり、初動対応を早められた場面もありました。
一台の余っていたパソコンが、自動化だけではなく、ネットワーク監視まで担当する存在になっていたのです。
まとめ
以前、「無ければ作る」という考え方についてブログでご紹介しました。
今回のバッチサーバーも、まさにその考え方から生まれた仕組みです。
自動化が増えれば、新しい課題も生まれます。
そのたびに、今ある環境を工夫しながら少しずつ仕組みを作り上げてきました。
振り返ってみると、今回もまた「無ければ作る」を実践していたのだと思います。
社内SEの仕事は、高価なシステムを導入することだけではありません。
今あるものを工夫し、業務を止めない仕組みを作ること。
あの頃は、ただ余っていたパソコンを活用しているだけだと思っていました。
でも振り返ってみると、あの一台は、自動化、ネットワーク監視、そして業務を止めないための仕組みとして、会社を陰で支える大切な存在になっていました。
私にとって、このバッチサーバーは「無ければ作る」という考え方を最も象徴する存在だったと思います。
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