前回は、仕事のしやすさを考えてデスク周りを見直した経験についてブログ記事にまとめました。まだご覧になっていない方は、ぜひこちらもご覧ください。
👉 【元社内SE】引き出しをなくそうと思っていなかった私が辿り着いた「最高の作業場」

新人SEになって間もない頃、私は「SEやプログラマーは残業してなんぼの仕事」だと思っていました。
当時担当していた案件は炎上気味で、終電前まで残業する日も珍しくありませんでした。
毎日のようにリポビタンDやユンケルを飲み、飲み終わった空き瓶をデスクの上に一列に並べていました。
今思えば少し恥ずかしい話ですが、当時の私は、その空き瓶を見るたびに「今日も頑張った」と少し誇らしく思っていたのです。
当時は「残業してナンボ」という空気が色濃く残っていた時代でした。
「ナマケモノを目指せ」という一言
そんなある日、本社に来ていた先輩社員の方が、私のデスクを見て笑いながら声を掛けてくれました。
「君さ、ナマケモノを目指した方がいいよ。」
私は思わず、
「え? サボれということですか?」
と聞き返しました。
すると、その方は笑いながらこう続けました。
「違う違う。なるべく自分が動かなくて済むように工夫するんだよ。」
「楽ができるなら、その方法を考えた方がいい。」
当時の私は、
「なるほど、そういう考え方もあるのか。」
と思ったことを今でも覚えています。
ただ、その言葉の本当の意味を理解したのは、ずっと後のことでした。
「頑張る」と「無理をする」は違う
新人だった私は、とにかく目の前の仕事を終わらせることしか考えていませんでした。
長時間働くことが頑張ること。
手作業でも最後までやり切ることが責任感。
そう思っていました。
でも、その先輩が教えてくれたのは違いました。
「どうすれば楽になるか。」
「どうすれば同じ仕事をもっと効率よくできるか。」
そのことを考える時間も仕事の一部だという考え方でした。
その時は何となく理解したつもりでしたが、社会人経験の浅かった私には、その本当の価値までは分かっていなかったと思います。

社内SEになって言葉の意味が分かった
その後、社内SEとして働くようになり、私は毎日のようにシステムトラブルへ対応することになります。
- ユーザーから電話が鳴る。
- パソコンが動かない。
- 印刷できない。
- ネットワークにつながらない。
社内SEにとって、こうしたトラブル対応は日常です。
一日に一件程度であれば落ち着いて対応できます。
しかし、それが二件、三件と重なると、一気に余裕がなくなります。
そんな時に、自分の仕事が予定でいっぱいだったらどうなるでしょうか。
「今忙しいので後にしてください。」
そんな対応しかできなくなってしまいます。
だから私は、普段から仕事を詰め込み過ぎないよう意識するようになりました。
余裕を持って仕事を進める。
そうすることで、突然のトラブルにも冷静に対応できるようになります。
今振り返ると、それが「ナマケモノを目指せ」という言葉の一つの意味だったのだと思います。
「どうすれば楽になるか」を考えるようになった
この考え方は、仕事の進め方にも大きく影響しました。
同じ作業を何度も繰り返すのであれば、自動化できないか考える。
手作業が多ければ、プログラムで処理できないか考える。
入力ミスが起きるなら、仕組みで防げないか考える。
社内SE時代に作ったバッチ処理や業務改善ツールも、この考え方の延長線上にあります。
もちろん、自動化すれば何でも良いというわけではありません。
業務内容や安全性、運用方法まで考える必要があります。
そのため、お客様にも必ず自動化を提案するわけではなく、本当にその方法が適しているかを見極めるようにしています。
それでも、「どうすれば少しでも楽になるか。」という視点は、今でも仕事を考える上で自然と身についています。
残業そのものを否定したいわけではない
私は残業そのものが悪いとは思っていません。
忙しい時期に少し残業して収入を増やすことも、一つの働き方だと思います。
ただ、長時間働くこと自体を頑張っている証にしてしまうのは違うとも感じています。
少し余裕を残して仕事をする。
その余裕を生み出すために工夫する。
その積み重ねが、自分自身を助け、周囲を助けることにもつながります。
「ナマケモノを目指せ」は今でも仕事の原点
新人だった頃、本社でたまたま掛けてもらった「ナマケモノを目指せ。」という一言。
当時は「なるほど、そういう考え方もあるのか」と思っただけでした。
でも、社内SEとして数多くのトラブル対応や業務改善を経験した今、その言葉の意味が少し分かったような気がします。
今でも新しい仕事に取り組む時、私はまず考えます。
「もっと楽にできる方法はないだろうか。」
この問いかけは、私の仕事に対する考え方の原点の一つになっています。
この記事を読んで、「頑張ること」と「無理をすること」は違うという考え方が、少しでも伝われば嬉しく思います。
次回は、人に仕事を教えるときに私が大切にしてきた考え方について、ブログ記事にまとめました。
「教える」ことよりも、「自分で考えて行動できるようになる」ことを大切にしてきた理由をお伝えしていますので、よろしければご覧ください。
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